日本地球惑星科学連合2016年大会

セッション情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL36] プレート収束境界における堆積盆形成テクトニクスの新たな展望

2016年5月23日(月) 13:45 〜 15:15 コンベンションホールA (2F)

コンビーナ:*伊藤 康人(大阪府立大学大学院理学系研究科物理科学専攻)、高野 修(石油資源開発株式会社技術研究所)、座長:高野 修(石油資源開発株式会社技術研究所)、伊藤 康人(大阪府立大学大学院理学系研究科物理科学専攻)

堆積盆形成プロセスの研究は、地球表層の物質循環メカニズムを解明する上で不可欠であり、資源探査や防災・環境といった実用的側面からも極めて重要である。近年の人工地震探査など物理探査技術の目覚しい進歩によって、堆積盆深部の精密な可視化が現実のものとなり、層序・構造解析の高精度化が進んでいる。さらに、学術大深度掘削の成果を踏まえて堆積盆の時空分布や発達過程を詳細に論じることが可能になりつつある。このような研究動向を反映して、数値モデリングなど定量的手法の導入も盛んであり、この領域の研究は質・量ともに新たな局面を迎えた。本セッションでは、プレート収束境界で形成されるさまざまな堆積盆に着目する。それは、海洋プレート沈み込みの様態に応じて島弧や大陸縁辺が変形するプロセスそのものであり、構造発達イベントと密接な関連を有している。翻って、堆積盆の時空分布変遷は収束境界における応力・歪場の変化とリンクしており、プレート運動史に関する重要な制約条件となる可能性がある。日本列島の形成過程を解明する上でも、主要な海洋プレート復元モデルの検証が必要であろう。多くの学際的かつ野心的な先端研究成果の投稿を期待する。