17:15 〜 18:30
[AAS13-P01] 地上稠密観測 POTEKA で観測された突風事例と予測可能性
キーワード:ダウンバースト、稠密観測
明星電気株式会社は、小型気象計POTEKA Sta.(ポテカ:Point Tenki Kansoku、以下POTEKA)を開発し、2013年度から群馬県を中心に145ヵ所で、2km間隔・1分毎の地上稠密気象観測を実施している。2015年は6月15日に群馬県前橋市・伊勢崎市で突風(ダウンバースト、以下DB)が発生した。本稿は突風発生時の地上気象要素の変化について紹介すると共に、過去3年間で観測された突風事例(本稿含め3事例)の地上気象要素の特徴について述べる。
6月15日のDB発生の主な要因は活発な積乱雲が通過したことによるもので、DBは16時ごろに前橋市から伊勢崎市にかけて発生した。POTEKAの気温1分値は、15時50分頃から気温の急低下が見られ、被害地域近傍(図 参照)で平均-2.6℃/分の気温減率を観測した.また、気圧時系列を見ると気温急低下よりも約5分ほど前から気圧が上昇し、その後に急低下(Pressure Dip)と急上昇(Pressure Jump)を観測した。この気圧変化はDB前面で発生したものと推測される。
6月15日の事例を含めPOTEKAは3回の突風を観測できた(佐藤ほか,2013・野呂瀬ほか,2013・佐藤ほか,2014).全ての突風事例において共通する,地上気象観測値の変化の特徴は(1)気温は被害発生の数十分前から急低下が観測される。(2)気圧は気温急低下より数分前から上昇するが、極めて局所的である。(3)風は気温急低下後にピークを迎える、といった点が挙げられる。特に気温の急低下は複数地点でかつ明瞭的に観測されている。このことから突風を早期検知するためには、気温の急低下を監視することが有効であると考えられる。今後は、これらの特徴を詳しく解析すると共に、突風を検知する仕組みを構築し、その有効性について検証していく。
参考文献
1. 佐藤香枝,呉宏堯,矢田拓也,小島慎也,森田敏明,岩崎博之.2013.地上稠密観測POTEKAで観測した2013年8月11日のダウンバースト(1).日本気象学会春季大会予稿集,105,223pp
2. 野呂瀬敬子,小林文明,呉宏堯,森田敏明.2013.地上稠密観測POTEKAで観測した2013年8月11日のダウンバースト(2).日本気象学会春季大会予稿集,105,224pp
3. 佐藤香枝,矢田拓也,呉宏堯,小林文明.2015.地上稠密観測POTEKAで観測した2014年夏季の突風観測結果.日本気象学会春季大会予稿集,107,121pp
6月15日のDB発生の主な要因は活発な積乱雲が通過したことによるもので、DBは16時ごろに前橋市から伊勢崎市にかけて発生した。POTEKAの気温1分値は、15時50分頃から気温の急低下が見られ、被害地域近傍(図 参照)で平均-2.6℃/分の気温減率を観測した.また、気圧時系列を見ると気温急低下よりも約5分ほど前から気圧が上昇し、その後に急低下(Pressure Dip)と急上昇(Pressure Jump)を観測した。この気圧変化はDB前面で発生したものと推測される。
6月15日の事例を含めPOTEKAは3回の突風を観測できた(佐藤ほか,2013・野呂瀬ほか,2013・佐藤ほか,2014).全ての突風事例において共通する,地上気象観測値の変化の特徴は(1)気温は被害発生の数十分前から急低下が観測される。(2)気圧は気温急低下より数分前から上昇するが、極めて局所的である。(3)風は気温急低下後にピークを迎える、といった点が挙げられる。特に気温の急低下は複数地点でかつ明瞭的に観測されている。このことから突風を早期検知するためには、気温の急低下を監視することが有効であると考えられる。今後は、これらの特徴を詳しく解析すると共に、突風を検知する仕組みを構築し、その有効性について検証していく。
参考文献
1. 佐藤香枝,呉宏堯,矢田拓也,小島慎也,森田敏明,岩崎博之.2013.地上稠密観測POTEKAで観測した2013年8月11日のダウンバースト(1).日本気象学会春季大会予稿集,105,223pp
2. 野呂瀬敬子,小林文明,呉宏堯,森田敏明.2013.地上稠密観測POTEKAで観測した2013年8月11日のダウンバースト(2).日本気象学会春季大会予稿集,105,224pp
3. 佐藤香枝,矢田拓也,呉宏堯,小林文明.2015.地上稠密観測POTEKAで観測した2014年夏季の突風観測結果.日本気象学会春季大会予稿集,107,121pp