日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC20] 雪氷学

2016年5月25日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*大畑 哲夫(情報システム研究機構・国立極地研究所・国際北極環境研究センター)、堀 雅裕(宇宙航空研究開発機構地球観測研究センター)、鈴木 和良(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、杉山 慎(北海道大学低温科学研究所)

17:15 〜 18:30

[ACC20-P06] 中央アジア・天山山脈北部地域における山岳永久凍土の空間分布

山村 祥子1、*奈良間 千之1冨山 信弘2田殿 武雄3山之口 勤2 (1.新潟大学大学院自然科学研究科、2.日本リモートセンシング技術センター、3.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:山岳永久凍土、岩石氷河、差分干渉SAR

中央アジアの天山山脈北部地域のキルギス・アラトー山脈における山岳永久凍土帯の空間分布を明らかにするため,2013~2015年の現地調査と衛星画像・空中写真の地形判読,差分干渉SAR解析を実施した.地形判読により分類したデブリ地形に対し,表面形態から山岳永久凍土の存在指標である岩石氷河に分類した.さらにALOS-1/PALSARとALOS-2/PALSAR-2を用いた差分干渉SAR解析による地表面変動から山岳永久凍土を含む450の現成/停滞の岩石氷河を認定した.さらに,岩屑供給源から分類した結果,氷河起源タイプは6割,崖錐起源タイプが4割であった.2013年~2015年にかけて実施した地温・流動観測の結果,観測サイトである氷河起源タイプの岩石氷河(3500m a.s.l)上で最大68cm/yの流動が確認され,MAAT-4.62℃とMAGST–1.47℃から内部の永久凍土の存在が示唆された.岩石氷河の分布から,山岳不連続永久凍土帯は北側で2800m,南側で3200m以上で分布していることが明らかになった.