日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC21] アイスコアと古環境変動

2016年5月25日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*川村 賢二(情報・システム研究機構 国立極地研究所)、竹内 望(千葉大学)、阿部 彩子(東京大学大気海洋研究所)、大藪 幾美(情報・システム研究機構 国立極地研究所)

17:15 〜 18:30

[ACC21-P03] 中央アジア天山ウルムチNo.1氷河の浅層アイスコアの化学成分と鉱物粒子

*宮内 謙史郎1竹内 望1若林 梢1石田 依子1Li Zhongqin2 (1.千葉大学、2.天山氷河観測所)

キーワード:アイスコア、ダスト、中央アジア

中央アジアの氷河で掘削されるアイスコアには,乾燥域特有の砂塵の供給によって数多くのダスト層が含まれている.ダスト層は年層決定に使われることも多いが,それぞれのダスト層の化学的,鉱物学的特徴についての詳細な分析はほとんど行われていない.本研究では,中国天山山脈のウルムチNo.1氷河で2006年に掘削された深さ8mの浅層アイスコアを用いて,化学成分と鉱物粒子に注目した分析を行った.顕微鏡分析の結果,このアイスコアにはおよそ10層のダスト層が含まれていることがわかった.化学成分との比較の結果,ダスト由来成分であるCaやMgイオンの濃度は,ダスト層の粒子濃度とは必ずしも一致しなかった.またダスト層によってCa/Mg比が高い層と低い層があることが明らかになった.このことは,毎年形成されるダスト層でも鉱物粒子の構成が異なることを示唆している.これはダストの供給源が年によって異なるためと考えられる.