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[ACG22-09] ハイパースペクトルデータを用いたキサントフィルサイクルのエポキシ化率の評価
キーワード:EPS、ハイパースペクトル、キサントフィルサイクル
キサントフィルサイクルのエポキシ化率(EPS)は光合成の光利用効率に関する短期的な変化を評価する上で有効な指標である(Gamon et al. 1990)。一般的に、EPSを算出するためには高速液体クロマトグラフィー(HPLC, Thayer and Bjorkman 1990)によって計測されたキサントフィルサイクルに関わるビオラキサンチン、アンテラキサンチン、ゼアキサンチンの3種の色素の濃度を使用する必要がある。だが、本手法はリーフスケールに限られ、アップスケーリングを図ることは困難である。
一方、ハイパースぺクトルリモートセンシングはこれに代わる方法として期待されており、 多くの研究で、光利用効率を推定する上で分光反射率に基づく指標であるPhotochemical Reflectance Index (PRI)が有効であることが示されてきた(Filella et al. 2009; Gamon et al. 1992; Gamon et al. 1997; Sha et al. 2014; Stagakis et al. 2014) 。しかし、これらの研究は草本もしくは針葉樹を対象としたものがほとんどであり、広葉樹へは適用できないことが報告されている(Nichol et al. 2000).
本研究では、光ストレスのみを与えた場合と、キサントフィルサイクルに影響を与えるとされている薬品 (dithiothreitol (DTT), 3‐(3,4‐dichlorophenyl)‐1,1‐dimethylurea (DCMU), dibromothymoquinone (DBMIB) 及び(HgCl2))を吸わせた後に光ストレスを与えたブナの陽葉及び陰葉を用いて、PRIの再評価を行った。また、データスクリーニングにより陽葉及び陰葉どちらのEPSを評価においても有効な指標の開発を行った。
PRIはブナ、特に陽葉のEPSとの相関が低かった一方、本研究で開発した指標はどちらの葉に対しても高い相関係数を有していた。また、薬品によって人為的に作り出した条件下及びブナ以外の広葉樹(オオバクロモジ、リョウブ、オオカメノキ、コシアブラ、ミズナラ、ハウチワカエデ)に対しても高い相関を有していた。
一方、ハイパースぺクトルリモートセンシングはこれに代わる方法として期待されており、 多くの研究で、光利用効率を推定する上で分光反射率に基づく指標であるPhotochemical Reflectance Index (PRI)が有効であることが示されてきた(Filella et al. 2009; Gamon et al. 1992; Gamon et al. 1997; Sha et al. 2014; Stagakis et al. 2014) 。しかし、これらの研究は草本もしくは針葉樹を対象としたものがほとんどであり、広葉樹へは適用できないことが報告されている(Nichol et al. 2000).
本研究では、光ストレスのみを与えた場合と、キサントフィルサイクルに影響を与えるとされている薬品 (dithiothreitol (DTT), 3‐(3,4‐dichlorophenyl)‐1,1‐dimethylurea (DCMU), dibromothymoquinone (DBMIB) 及び(HgCl2))を吸わせた後に光ストレスを与えたブナの陽葉及び陰葉を用いて、PRIの再評価を行った。また、データスクリーニングにより陽葉及び陰葉どちらのEPSを評価においても有効な指標の開発を行った。
PRIはブナ、特に陽葉のEPSとの相関が低かった一方、本研究で開発した指標はどちらの葉に対しても高い相関係数を有していた。また、薬品によって人為的に作り出した条件下及びブナ以外の広葉樹(オオバクロモジ、リョウブ、オオカメノキ、コシアブラ、ミズナラ、ハウチワカエデ)に対しても高い相関を有していた。