日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW16] 流域生態系の水及び物質の輸送と循環-源流域から沿岸域まで-

2016年5月26日(木) 09:00 〜 10:30 302 (3F)

コンビーナ:*吉川 省子(農業環境技術研究所)、小林 政広(国立研究開発法人森林総合研究所)、奥田 昇(総合地球環境学研究所)、小野寺 真一(広島大学大学院総合科学研究科)、知北 和久(北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、中屋 眞司(信州大学工学部水環境・土木工学科)、齋藤 光代(岡山大学大学院環境生命科学研究科)、座長:小野寺 真一(広島大学大学院総合科学研究科)、齋藤 光代(岡山大学大学院環境生命科学研究科)

09:00 〜 09:15

[AHW16-01] 森林流域の流出・浸食機構

*知北 和久1簗場 大将2阪田 義隆3ホサイン エムディ モタレブ1 (1.北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門、2.北海道大学理学部地球惑星科学科、3.北海道大学大学院工学研究院空間システム部門)

キーワード:森林斜面、テフラ層、飽和側方流

森林域が流域面積の88.3 %を占める北海道・生花苗川流域で,森林斜面に4CH土壌水分プロファイラー(10 – 40 cm深)とテンショメーター (10 – 50 cm深)を設置し,降雨イベント時の降下浸透に伴う雨水の挙動特性とこれに伴う土壌浸食の可能性について検討した。観測期間は2015年5月~10月の無冠雪期間で,同時に生花苗川の流量・濁度・水温も連続測定しており,測定間隔は全観測項目で30分である。観測点土壌内の水収支を計算したところ,10月の降雨イベント(林内総雨量58.0 mm) 時に40 cm深で飽和側方浸透流が発生し,一部ホートン型地表流の発生した可能性があることがわかった。この40 cm深には透水性の高いテフラ層(1667年樽前Ta-b層),その下に透水性の低い泥層があり,飽和側方流は選択的にこの深度で卓越すると判断される。この流れによる浸食限界を調べると,砂・泥粒子が選択的に浸食される可能性が高いことがわかった。