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[AHW16-01] 森林流域の流出・浸食機構
キーワード:森林斜面、テフラ層、飽和側方流
森林域が流域面積の88.3 %を占める北海道・生花苗川流域で,森林斜面に4CH土壌水分プロファイラー(10 – 40 cm深)とテンショメーター (10 – 50 cm深)を設置し,降雨イベント時の降下浸透に伴う雨水の挙動特性とこれに伴う土壌浸食の可能性について検討した。観測期間は2015年5月~10月の無冠雪期間で,同時に生花苗川の流量・濁度・水温も連続測定しており,測定間隔は全観測項目で30分である。観測点土壌内の水収支を計算したところ,10月の降雨イベント(林内総雨量58.0 mm) 時に40 cm深で飽和側方浸透流が発生し,一部ホートン型地表流の発生した可能性があることがわかった。この40 cm深には透水性の高いテフラ層(1667年樽前Ta-b層),その下に透水性の低い泥層があり,飽和側方流は選択的にこの深度で卓越すると判断される。この流れによる浸食限界を調べると,砂・泥粒子が選択的に浸食される可能性が高いことがわかった。