12:00 〜 12:15
[AHW16-12] 琵琶湖における地下水湧出の分布と栄養塩流出に及ぼす影響 -現状と課題-
キーワード:琵琶湖、地下水湧出、栄養塩、被圧地下水
1.目的
琵琶湖をはじめとする湖の栄養塩環境を明らかにするためには、これまで評価されてきていない地下水流入の影響についても評価する必要がある。本チームでは、琵琶湖における地下水流出の栄養塩供給についての影響を明らかにすることを目的とする。
2.調査内容と結果
①琵琶湖南岸域(野洲)と西岸域(高島)に設置してある試験地(観測井群;深度1m、2m)において地下水位の時系列変化をモニターした。機器設置時点では、地下水の方が水圧が高く、流出傾向を示していた。今後、データを回収したのち、湖の水位との勾配から浅層地下水流出量を見積もる。②南岸および西岸において湖岸沿いに500mごとにRAD7によって222Rnを計測し、水試料を採水した。水試料については、実験室で酸素安定同位体比(δ18O)、塩化物イオン(Cl-)、栄養塩(窒素、リン、珪素)濃度を測定し、これらの空間分布を確認し、地下水湧出の傾向を確認した。特に西岸ではその傾向が強く、南岸でも野洲川河口域よりも離れたところで地下水流出の傾向が確認された。③湖岸の井戸20か所程度で地下水を採水し、河川水とともに溶存成分を確認した。特に、東岸(彦根)では浅層部(地下10m)に粘土層(難透水層)が分布することから被圧(深層)地下水も採水した。今のところ、計測した15地点のうち数点では溶存リン酸態リンで0.1ppmを超える高濃度域が出現した。④琵琶湖東岸において(彦根付近)、沖に向けて水深5m、10m、20mの地点および湖心でそれぞれ表層、中層、底層、底質間隙水の水試料を採取し、地下水のトレーサーとなるラドン(222Rn)濃度を計測した。水深20mの地点において底層でのRn濃度が沿岸よりも高く、最も地下水流出のシグナルが強い傾向が確認でき、従来評価されていない被圧地下水の湧出が明らかになった。
琵琶湖をはじめとする湖の栄養塩環境を明らかにするためには、これまで評価されてきていない地下水流入の影響についても評価する必要がある。本チームでは、琵琶湖における地下水流出の栄養塩供給についての影響を明らかにすることを目的とする。
2.調査内容と結果
①琵琶湖南岸域(野洲)と西岸域(高島)に設置してある試験地(観測井群;深度1m、2m)において地下水位の時系列変化をモニターした。機器設置時点では、地下水の方が水圧が高く、流出傾向を示していた。今後、データを回収したのち、湖の水位との勾配から浅層地下水流出量を見積もる。②南岸および西岸において湖岸沿いに500mごとにRAD7によって222Rnを計測し、水試料を採水した。水試料については、実験室で酸素安定同位体比(δ18O)、塩化物イオン(Cl-)、栄養塩(窒素、リン、珪素)濃度を測定し、これらの空間分布を確認し、地下水湧出の傾向を確認した。特に西岸ではその傾向が強く、南岸でも野洲川河口域よりも離れたところで地下水流出の傾向が確認された。③湖岸の井戸20か所程度で地下水を採水し、河川水とともに溶存成分を確認した。特に、東岸(彦根)では浅層部(地下10m)に粘土層(難透水層)が分布することから被圧(深層)地下水も採水した。今のところ、計測した15地点のうち数点では溶存リン酸態リンで0.1ppmを超える高濃度域が出現した。④琵琶湖東岸において(彦根付近)、沖に向けて水深5m、10m、20mの地点および湖心でそれぞれ表層、中層、底層、底質間隙水の水試料を採取し、地下水のトレーサーとなるラドン(222Rn)濃度を計測した。水深20mの地点において底層でのRn濃度が沿岸よりも高く、最も地下水流出のシグナルが強い傾向が確認でき、従来評価されていない被圧地下水の湧出が明らかになった。