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[AHW16-P19] 西日本の閉鎖性湾における過去1万年間の生物地球化学過程の変動
キーワード:栄養塩、閉鎖性海域、温暖化、1万年間
本研究では、閉鎖性海域である瀬戸内海において、さらに奥に位置する岡山県児島湾を対象して、平野の堆積物中の炭素、窒素、リンの分布結果を基に、過去1万年間の生物地球化学過程を紐解くことを目的とした。8000年前までの温暖化時期には、激しい堆積速度が確認され、一方、縄文海進期まで海面が上昇すると、堆積速度は低下した。これは土砂供給減の源流域での土砂生産量の低下によるものと考えられる。一方、この時期に至るまでの土砂供給期に大量のリンの生産も確認でき、さらに、炭素、窒素の安定同位体比の上昇も確認できた。縄文海進期ピーク以降の寒冷化時期には、リンの供給のさらなる減少とともに、炭素窒素安定同位体比の値も低下する傾向がみられた。