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[AHW16-P20] 地熱水域の熱収支と周辺湖沼への影響評価:倶多楽火山・北海道
キーワード:地下熱水系、地下熱流量、火山活動
北海道・倶多楽火山の地殻熱活動を調べるため,登別温泉にある三つの湯沼(大湯沼,奥の湯,沸騰泉池)の熱収支を調べ,隣接するカルデラ深湖・倶多楽湖における熱流量との関係を調べた.2013-2015年の観測から,平均地下熱流量は2.8 kW/m2 (大湯沼), 22.0 kW/m2 (奥の湯)and 32.0 kW/m2(沸騰泉池)と与えられた.他方,この間,倶多楽湖最深点(148 m)で温度成層期に水温と25℃電導度EC25との上昇が認められ,その地下熱流量0.50 - 9.3 W/m2と評価された.2013-2015年の長期変動を見ると,奥の湯の地下熱流量と倶多楽湖の地下熱流量との間には,平均5ヶ月のタイムラグが認められた.MT法による地下探査では,倶多楽湖の地下100 mに熱水貯留層が存在する.このことから,この貯留層より深部に湯沼・倶多楽湖に共通の熱水系があり,これに対する応答の違いが両者に現れていると判断される.