日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW16] 流域生態系の水及び物質の輸送と循環-源流域から沿岸域まで-

2016年5月26日(木) 15:30 〜 16:45 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*吉川 省子(農業環境技術研究所)、小林 政広(国立研究開発法人森林総合研究所)、奥田 昇(総合地球環境学研究所)、小野寺 真一(広島大学大学院総合科学研究科)、知北 和久(北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、中屋 眞司(信州大学工学部水環境・土木工学科)、齋藤 光代(岡山大学大学院環境生命科学研究科)

15:30 〜 16:45

[AHW16-P20] 地熱水域の熱収支と周辺湖沼への影響評価:倶多楽火山・北海道

*知北 和久1芝田 大輝2 (1.北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門、2.北海道大学理学部地球惑星科学科)

キーワード:地下熱水系、地下熱流量、火山活動

北海道・倶多楽火山の地殻熱活動を調べるため,登別温泉にある三つの湯沼(大湯沼,奥の湯,沸騰泉池)の熱収支を調べ,隣接するカルデラ深湖・倶多楽湖における熱流量との関係を調べた.2013-2015年の観測から,平均地下熱流量は2.8 kW/m2 (大湯沼), 22.0 kW/m2 (奥の湯)and 32.0 kW/m2(沸騰泉池)と与えられた.他方,この間,倶多楽湖最深点(148 m)で温度成層期に水温と25℃電導度EC25との上昇が認められ,その地下熱流量0.50 - 9.3 W/m2と評価された.2013-2015年の長期変動を見ると,奥の湯の地下熱流量と倶多楽湖の地下熱流量との間には,平均5ヶ月のタイムラグが認められた.MT法による地下探査では,倶多楽湖の地下100 mに熱水貯留層が存在する.このことから,この貯留層より深部に湯沼・倶多楽湖に共通の熱水系があり,これに対する応答の違いが両者に現れていると判断される.