日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW17] 水循環・水環境

2016年5月25日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*樋口 篤志(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、長尾 誠也(金沢大学環日本海域環境研究センター)、林 武司(秋田大学教育文化学部)、内田 洋平((独)産業技術総合研究所地質調査総合センター)

17:15 〜 18:30

[AHW17-P04] 火山岩地域における湧水と地下水の化学組成の特性

*木下 絵美1大森 寛子1安井 万奈2萩谷 宏1 (1.東京都市大学、2.早稲田大学)

キーワード:湧水、地下水、玄武岩質火山、流紋岩質火山、安山岩質火山

玄武岩、安山岩、流紋岩質火山において、地質条件が湧水や地下水の水質に与える影響を検討した。玄武岩質火山である伊豆大島、富士山、ハワイ島と流紋岩質火山である神津島及び安山岩質火山の八ヶ岳の全89水試料のそれぞれをICP発光分光分析法、イオンクロマトグラフィーを用いて、陽イオン、陰イオンの分析を行った。
その結果、玄武岩質火山の湧水と地下水には岩石の化学組成に対応してMg2+の含有量が比較的多く、流紋岩質火山の湧水と地下水にはNa+やCa2+と比較してMg2+の含有量が少ない傾向があることが分かった。
一般に、海に近い地域における湧水や地下水は海水組成に近い陽イオン組成が見られるが、海水のCa2+/Na+よりもCa2+が多い水試料については岩石からの陽イオンの溶出で説明出来る。これに対し、陸上火山である富士山、八ヶ岳においては湧水や地下水の組成に海塩粒子などの影響が少なく、より岩石の影響が水質に表れていることが考えられる。