日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW18] 同位体水文学2016

2016年5月25日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*安原 正也(立正大学地球環境科学部)、風早 康平(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、浅井 和由(株式会社 地球科学研究所)、大沢 信二(京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設(別府))、風間 ふたば(山梨大学大学院医学工学総合研究部工学学域社会工学システム系)、高橋 正明(産業技術総合研究所)、鈴木 裕一(立正大学地球環境科学部)

17:15 〜 18:30

[AHW18-P03] 里山湧水における年代トレーサーの挙動

*浅井 和由1加藤 勇治1辻村 真貴2 (1.株式会社 地球科学研究所、2.筑波大学)

キーワード:年代トレーサー、里山湧水、安定同位体、CFCs、SF6

滞留時間60年未満の若い地下水の年代推定には、CFCs(クロロフルオロカーボン類)やSF6(六フッ化硫黄)などの温暖化ガストレーサーが利用されるようになってきた。日本国内での事例も増えており、CFCsについては数十年オーダーの比較的長い滞留時間を有する火山山麓湧水に対して非常に有効であること、SF6についてはインプット濃度の補正の必要はあるが、年代情報を得られる確率はCFCsよりも高いことが経験的に分かってきた。一方、CFCsやSF6についての基礎的データの蓄積は不足しており、例えばトレーサー濃度の時間変動特性については良くわかっていない。 本研究では名古屋市の東山公園地区に位置する小規模な里山湧水を対象として、2015年2月から2016年1月までの1年間にわたって週1回のサンプリングを実施した。湧水の水温は10.4~19.9℃、湧出量は0.02~1.33 L/sの範囲で大きく変動した。一方、pHは4.73~5.15、電気伝導度(EC)は2.77~3.72 ms/mの範囲にあり、比較的安定していた。発表では、温度環境や湧出環境が季節的に変化する湧水における溶存化学成分や年代トレーサーの変動特性や変動要因について報告する予定である。