*小林 憲正1、松田 知之1、榎本 真吾1、江藤 碧1、癸生川 陽子1、三田 肇2、吉田 聡3、福田 一志4、近藤 康太郎4、小栗 慶之4
(1.横浜国立大学大学院工学研究院、2.福岡工業大学工学部、3.放射線医学総合研究所、4.東京工業大学)
キーワード:Ice mantles of interstellar dust particles, Amino acids, Super-complex organic molecules, Cosmic rays, Heavy ions bombardment
分子雲中の星間塵アイスマントル中での有機物生成の検証のため,メタノール・アンモニア・水の混合物を液体窒素中で凍結し,これに放射線医学総合研究所のHIMACからの290 MeV/u炭素線を照射した。生成物を加水分解するとグリシンなどのアミノ酸の生成が確認された。生成物(加水分解前後)をFT-IR, ESI-MSなどでキャラクタリゼーションを行った。また,比較として一酸化炭素,メタン,アンモニア,水の混合気体への陽子線照射も行い,結果の比較と,反応機構の推定を行った。以上の結果から,星間塵アイスマントル中で,宇宙線の作用により複雑な構造を有するアミノ酸前駆体が生成しうることが強く示唆された。