日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 地球惑星科学のアウトリーチ

2016年5月22日(日) 10:45 〜 12:15 101A (1F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、長谷川 直子(お茶の水女子大学)、大木 聖子(慶應義塾大学 環境情報学部)、座長:長谷川 直子(お茶の水女子大学)

12:00 〜 12:15

[G03-12] “みんなで作るバタフライダイアグラム”~京都大学花山天文台における小学生のための天文普及活動例~

*鴨部 麻衣1関 智也2石井 貴子1西田 圭佑1大辻 賢一1玉澤 春史1木村 剛一1門田 三和子1野上 大作3柴田 一成1萩野 正興4 (1.京都大学大学院理学研究科附属天文台、2.京都市教育委員会、3.京都大学理学研究科宇宙物理学教室、4.国立天文台)

キーワード:太陽、黒点、バタフライダイアグラム、教育、アウトリーチ

京都大学大学院理学研究科附属花山天文台では、2013年度より京都市教育委員会と連携し「京都市の小学生を対象にした花山天文台での体験学習」を実施している。この活動では、小学生たちに最先端の天文学に触れる機会を提供し、京都市立堀川高等学校の高校生が、小学生向けの「学習ノート」の作成や見学の解説員として貢献している。本発表では、体験学習のコンテンツとして、2015年度に実施した、小学生と作る太陽のバタフライダイアグラム(*)の制作について報告する。
体験学習時に小学生たちは、「自分の黒点」カードに記載された“太陽黒点の発生年月と緯度の数値”を、一人ずつ大判ポスター上にシールを貼って、グラフを完成させていった。この体験学習に参加した児童から以下のような感想を頂いた。「『もっともっと宇宙のことを知りたい!!』太陽館と別館に行ったときそう思いました。本気の本気でそう思いました。」「フレアは命にかかわることなので,研究することは大切だと思いました。」この体験学習を通し、歴史ある地元の天文台で、太陽や宇宙を身近に感じられたことが感想文からもうかがえる。10年以上にわたる花山天文台での黒点スケッチのデータを活用したことから、観測者(花山天文台職員)は継続観測の重要性を再認識できた。
今後は、太陽観測の重要性や継続観測の意義を伝える道具として、広くアウトリーチ活動で活用できないか考えている。
(*バタフライダイアグラム:太陽黒点の出現緯度を時系列で表示した図)
なお、本取り組みは京都市教育委員会の「京都大学との連携事業」よりご支援頂きました。記して感謝致します。