日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 小・中・高・大の地球惑星科学教育

2016年5月22日(日) 10:45 〜 12:15 203 (2F)

コンビーナ:*畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、根本 泰雄(桜美林大学自然科学系)

11:30 〜 11:45

[G04-09] 教科書使用用語課題解決への道

*根本 泰雄1藤原 靖2小林 則彦3田口 康博4川手 新一5宮嶋 敏6畠山 正恒7佐々木 晶8 (1.桜美林大学自然科学系、2.神奈川県立向の丘工業高等学校定時制総合学科、3.西武学園文理中学高等学校、4.千葉県立銚子高等学校、5.武蔵高等学校、6.埼玉県立深谷第一高等学校、7.聖光学院中学・高等学校、8.大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻)

キーワード:地学、教科書、用語

小学校および中学校で使用されている「理科」の教科書中,地球惑星科学の内容が書かれている箇所で用いられているいくつかの用語には課題が存在している.高等学校で使用されている「地学基礎」および「地学」の教科書でもいくつかの用語には同様の課題がある.
これらの課題は次の通りである.
(1) 【嫌疑用語(仮称)】の使用
例:<希ガス>か<貴ガス>か
(2) 【複数使用用語(仮称)】の使用
「同じ事柄に対して複数の用語が使用されている.」
例:<初期微動継続時間>,<P-S時間>,<PS時間>,<PS時>
(3) 【複数意味用語(仮称)】の使用
「複数の意味を持っている用語が一つの意味だけで使用されている.」
例:<アスペリティ>
(4) 【絶滅用語(仮称)】の使用
「近年は使われなくなっている,あるいは使わないことになっている用語が使用されている.」
あるいは
「使用が不適切である図表が使用されており,その図表中で適切な使い方をされていない用語がある.」
例:<火成岩分類の図表>
(5) 【カタカナ表記嫌疑用語(仮称)】の使用
「原語の発音と異なっているカタカナ表記の用語が使用されている.」
例:<リソスフェア>
例えば,(2)の用語を入試問題に使用する場合など,同一意味の用語を列記する必要が生じ不便である.このような,学校教育や報道で用いる場合の不都合を解消するため,教科書にて使用されている地球惑星科学に関する用語にまつわる諸課題の解決を目指すワーキンググループを,(公社)日本地球惑星科学連合教育検討委員会と日本学術会議地球惑星科学委員会人材育成分科会とで立ち上げることとなった.
本講演では,解決に向けて現在考えている道程を示し,調査研究から提言作成を行うまで,および結果の提出先に関する議論を行いたい.