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[HCG27-P05] 矢作川森の健康診断における森林ボランティア・研究者・行政・市民の協働
キーワード:人工林、森の健康診断、矢作川流域
日本の森林のうち4割を占める人工林の多くは1955~70年に植林され、その後、木材輸入自由化、円高、木材需要減少、林業従事者不足・高齢化などの影響により、放置され、背が高くて細い状態になっていまる。このような人工林は中が暗くて下草が生えず、雨粒が土壌を洗い流すことで、保水力が弱く、崩れやすい人工林である。しかし河川流域スケールでこのような森がどれくらいの割合で存在しているのか、専門家や行政も含め、誰も正確に把握できていない。矢作川流域では2000年の東海豪雨をきっかけとして森林ボランティアが中心となって、研究者と2005年から「矢作川森の健康診断」を始めた。一般市民が熟練した森林ボランティアの案内で山に入り、科学的かつ簡便な手法で森林の混み具合や植生や土壌などの調査を行い、研究者がその結果を解析して、結果を参加者で共有すると同時に、森林管理のための提言を行う活動である。2005年から10年間続けられ2014年に終了した矢作川森の健康診断の成果から、社会における科学者の役割と、課題解決への科学者の関与のあり方への含意を考察する。