日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG28] 閉鎖生態系における生物のシステムを介した物質循環

2016年5月22日(日) 15:30 〜 16:50 A07 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*富田ー横谷 香織(筑波大学大学院生命環境科学研究科)、座長:富田ー横谷 香織(筑波大学大学院生命環境科学研究科)

16:05 〜 16:20

[HCG28-03] シート化による陸棲ラン藻の有効利用

*加藤 浩1木村 駿太2古川 純2富田ー横谷 香織2山口 裕司3竹中 裕行3河野 伸之4 (1.三重大学、2.筑波大学、3.マイクロアルジェコーポレーション株式会社、4.多機能フィルター株式会社)

キーワード:乾燥、ラン藻、バイオレメディエーション、農業、宇宙、陸棲

生物が極限環境状態で生存する仕組みの一つに乾燥耐性能がある。空気中の窒素を固定する光合成生物のうち乾燥耐性能を有する陸棲ラン藻は土壌に必要な炭素や窒素を供給でき、かつ極限環境状態でも生存できることから環境改善の資材として利用可能な生物であると考えられる。特にイシクラゲ(Nostoc commune) は南極から砂漠までの幅広い環境に適応する陸生ラン藻として知られており、自然界で目視できるサイズの塊を形成し、単離過程で他の生物を増殖させることから、生命を維持する「ゆりかご」の役割を果たせるのではないかと考えた。Nostoc communeを土壌改良に利用するため、ラン藻塊を挟んだシート資材を作製した。ラン藻を植物栽培に必要な窒素源にするためにラン藻シートによる植物栽培を進めるとともに、近年の放射性物質の回収方法として、土壌表面を移動する土壌微粒子に吸着された放射性物質を回収することを検討した。これらの結果を踏まえて、閉鎖空間におけるラン藻の役割について議論する予定である。