[H-CG28] 閉鎖生態系における生物のシステムを介した物質循環

[HCG28-P04] 閉鎖生態系における陸棲ラン藻Nostoc sp.HK-01の食品としての機能評価

*木村 靖子^1,2、木村 駿太²、加藤 浩³、新井 真由美⁴、佐藤 誠吾²、富田ー横谷 香織² (1.十文字学園女子大学、2.筑波大学、3.三重大学、4.日本科学未来館)

キーワード：閉鎖生態系、ラン藻、食資源、Nostoc sp.HK-01、食品の機能性

人類が長期間宇宙環境に滞在するために食料の確保は重要な課題である。光合成微生物の陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01は、乾燥や真空、熱や紫外線、重粒子線（He）など各種宇宙環境に対して高い耐性があることが検証され、火星などの閉鎖生態系への導入生物として期待されている。陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01を人が直接摂取して有用であることが検証できれば、宇宙環境における食資源として大きく貢献できる。本発表では、陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01の食品としての一次機能である栄養的価値、二次機能としてのおいしさや嗜好性、三次機能としての抗酸化機能が備わっていることを確認し、宇宙環境における陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01の食資源としての有用性を初めて明らかにした。過酷な環境条件で栽培可能なラン藻類が効率よく食料化できれば、今後予想される地球規模の食糧問題に対して、有効な対策ともなり得る。