15:30 〜 16:45
[HDS05-P08] Effects of active fault types on earthquake-induced deep-seated landslides
キーワード:deep-seated landslides, earthquake, reverse fault, strike-slip fault, hanging wall, foot wall
日本地すべり学会の分科会により収集された地震による過去の深層崩壊事例情報と活断層詳細デジタルマップや地震調査研究推進本部や産総研などによる活断層情報を比較検討したところ,以下のことが判明した.
1)逆断層型の地震による深層崩壊のほとんどは,活断層からの距離20km以内の範囲で比較的均等に発生していた.一方,横ずれ断層型の地震による深層崩壊は,8割以上が活断層からの距離5km以内の狭い範囲に集中していた.
2)逆断層型の地震による深層崩壊は,大多数(25例中24)が上盤側で発生していた.
3)縦ずれ成分を伴うと推定される横ずれ断層型地震に関しても,逆断層型と同様に深層崩壊の多くが上盤側で発生していた.
1)に関して,家屋や構造物を対象とした地震工学の分野では,横ずれ断層による地震被害が逆断層による地震被害よりも断層近くのより狭い範囲に集中して発生することが知られているが(佐藤・平田,2000,科学,vol.70,No.1,58-65など),深層崩壊についても同様のことが確認された.2)に関しては,逆断層の上盤側は下盤側よりも地震動が大きく,深層崩壊がより多く発生することが最近の事例によって明らかになっているが(ハスバートルほか,2010,平成22年度砂防学会研究発表会概要集,48-49など),過去の事例についても同じことが確認された.
以上の結果から,地震による深層崩壊予測に際しては,震源断層からの距離だけでなく,活断層の型(逆か横ずれか正か)や上盤か下盤かなどを考慮する必要がある.また,主に構造物を対象として多用されている距離減衰式(司・翠川,1999,日本建築学会構造系論文集, 第523号, 63-70)についても同様の配慮が必要であろう.
1)逆断層型の地震による深層崩壊のほとんどは,活断層からの距離20km以内の範囲で比較的均等に発生していた.一方,横ずれ断層型の地震による深層崩壊は,8割以上が活断層からの距離5km以内の狭い範囲に集中していた.
2)逆断層型の地震による深層崩壊は,大多数(25例中24)が上盤側で発生していた.
3)縦ずれ成分を伴うと推定される横ずれ断層型地震に関しても,逆断層型と同様に深層崩壊の多くが上盤側で発生していた.
1)に関して,家屋や構造物を対象とした地震工学の分野では,横ずれ断層による地震被害が逆断層による地震被害よりも断層近くのより狭い範囲に集中して発生することが知られているが(佐藤・平田,2000,科学,vol.70,No.1,58-65など),深層崩壊についても同様のことが確認された.2)に関しては,逆断層の上盤側は下盤側よりも地震動が大きく,深層崩壊がより多く発生することが最近の事例によって明らかになっているが(ハスバートルほか,2010,平成22年度砂防学会研究発表会概要集,48-49など),過去の事例についても同じことが確認された.
以上の結果から,地震による深層崩壊予測に際しては,震源断層からの距離だけでなく,活断層の型(逆か横ずれか正か)や上盤か下盤かなどを考慮する必要がある.また,主に構造物を対象として多用されている距離減衰式(司・翠川,1999,日本建築学会構造系論文集, 第523号, 63-70)についても同様の配慮が必要であろう.