日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS18] 海底地すべりとその関連現象

2016年5月26日(木) 15:30 〜 16:45 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*北村 有迅(鹿児島大学大学院理工学研究科地球環境科学専攻)、大坪 誠(産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)

15:30 〜 16:45

[HDS18-P02] 第二渥美海丘北西斜面上の地すべり堆積物の孔隙構造:AUV調査結果と震探記録、検層記録の比較・検討

*鈴木 清史1志村 栄一1 (1.独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

キーワード:海底地すべり、自律式無人潜水装置、三次元地震探査、Sub Bottom Profiler、NMR検層記録

JOGMECは2015年6月第二渥美海丘で自律式無人潜水装置(Autonomous Underwater Vehicle、以後AUV)を用いた詳細海底地形地質調査を実施し、高解像度・高精度な海底地形図を得た。この地形図では断層と推定される直線状の段差が何本も確認されたが、AUV調査の結果だけでは、この推定断層が表層に限られるか深部まで連続するかなど不明な点があった。そこで3次元地震探査データと併せて検討した結果、調査地域東側の海底面で見られる直線状の段差は深部の構造と繋がっている可能性があるとわかった。また、AUVで得られたSub Bottom Profiler (SBP)記録に見られる音響ブランキングと音響的透明層は、NMR検層のT2分布によって区別される地すべり堆積物と表層の被覆堆積物に対比できるとわかった。さらに、NMR検層とLWD検層のDeep Button Resistivity (RAB) イメージを比較すると、地すべり面(せん断面)の深度ではT2分布のシフト(孔隙径変化)やピークの変化(密度変化)が観察された。以上の、AUVの調査結果と3次元地震探査データおよび検層データから総合的に把握した海底地すべりの堆積体の内部構造について報告する。
本研究は、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)の研究の一環として実施した。本研究の公表許可をいただいた経済産業省ならびにMH21に謝意を表する。