日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM14] 地形

2016年5月23日(月) 09:00 〜 10:30 301B (3F)

コンビーナ:*島津 弘(立正大学地球環境科学部地理学科)、瀬戸 真之(福島大学うつくしま福島未来支援センター)、座長:大上 隆史(中央大学理工学部)

10:00 〜 10:15

[HGM14-05] ネパール,トリスリ川流域ドゥンチェ付近の時系列SAR干渉画像を用いた地すべり性地表変動の検出

*佐藤 浩1 (1.日本大学文理学部)

キーワード:合成開口レーダー、地すべり、ネパール、地震、モンスーン

ネパール、トリスリ川流域のドゥンチェはカトマンズの北、46kmに位置する町であり、標高3,000m程度の低ヒマラヤから高ヒマラヤに漸移する場所にある。ドゥンチェ付近は2015年ゴルカ地震で斜面崩壊が多発したところであり、モンスーン期の豪雨によって地すべりの再滑動の危険性がある。そのため、地すべりによるわずかな地表変動を監視することは、防災に資するため重要である。本研究では、地震前後の2015年2月21日と5月2日、モンスーン期の7月25日と8月22日、モンスーン後期の8月22日と10月3日のAdvanced Land Observing Satellite-2 (ALOS-2)/Phased Array L-band Synthetic Aperture Radar-2 (PALSAR-2)データからSAR干渉画像を生成した。生成にはRinc 0.47ソフトウェア(小澤 2014)を用いた。これらのSAR干渉判読したところ、(1) 地震で生じた地すべりが継続的にわずかに変動しているもの、(2) 地震では変動しなかったが継続的にわすかに変動しているものがあることが分った。これらの知見は、斜面災害評価図の作成の基礎資料となると考えられる。本稿で用いたPALSAR-2データについては,東京大学地震研究所の特定(B)「新世代合成開口レーダーを用いた地表変動研究」の枠組みでJAXAから支給されたものを利用した。また、本研究は科学技術振興機構J-Rapidプロジェクトの2015年ネパール地震に関連した「ネパール大地震による山地斜面災害の現状把握と復興計画策定のための斜面災害評価図の作成」(研究代表者: 京都大学千木良教授)の費用の一部を使った。
○参考文献
小澤 拓(2014): 防災科研におけるInSAR解析ツールの開発-その3-. 2014年日本地球惑星科学連合大会予稿, STT59-P12. http://www2.jpgu.org/meeting/2014/session/S-TT59.html