日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-QR 第四紀学

[H-QR15] ヒト-環境系の時系列ダイナミクス

2016年5月26日(木) 10:45 〜 12:15 101A (1F)

コンビーナ:*須貝 俊彦(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻)、水野 清秀(国立研究開発法人産業技術総合研究所地質情報研究部門)、米田 穣(東京大学総合研究博物館)、座長:米田 穣(東京大学総合研究博物館)、小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)

10:45 〜 11:00

[HQR15-07] 北日本における過去6,700年間の温度変化と人類活動

*川幡 穂高1八田 良樹1羽生 淳子2吉田 明弘3 (1.東京大学 大気海洋研究所、2.カリフォルニア大学、3.鹿児島大学)

キーワード:温度、縄文人、気候

気温は最も重要な環境因子である.東季節風が吹く冬の時期を除くと,海水の水温と大気の平均気温が高い相関を示すことを利用し,アルケノン水温の精度が高いことを利用し,陸奥湾と広島湾で水温より気温を復元した.その結果,両者で6,000~5,200年前は寒冷,5,200 ~4,000千年前は温暖, 4,000~2,500千年前は寒冷,いう結果が得られた.この結果は,日本列島北部のみでなく,基本的に本州地域が全体として,振幅は2.0℃程度の寒暖を同時期に経験していたことを意味しており,三内丸山遺跡での盛衰と日本全国の人口変動とが整合的なのを裏付ける結果となった.この結果を発展さえ,今回,北海道噴火湾(内浦湾)の堆積物コア(全長約730cm,最深部の年代6730±40年前)の分析を行なった.その結果,水温の最高は23.2 °C,最低は 14.5 °Cで,平均値は14.5 °Cであった.温度の高い時期は4529 BC,2546 BC,759 AD,1782 AD,逆に低い時期は4057 BC,3585BC,3018BC,1885BC,1508 BC,1035 BC,469 BC,122AD,381AD,1164 ADであった,特に,降温が激しかったのは, 4500-4000 BC,2550-2000 BC,760-1080ADであった.