日本地球惑星科学連合2016年大会

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口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-SC 社会地球科学・社会都市システム

[H-SC16] 人間環境と災害リスク

2016年5月23日(月) 09:00 〜 10:15 105 (1F)

コンビーナ:*青木 賢人(金沢大学地域創造学類)、松多 信尚(岡山大学大学院教育学研究科)、須貝 俊彦(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻)、座長:青木 賢人(金沢大学地域創造学類)

09:00 〜 09:15

[HSC16-01] 人間環境と災害リスク(2011東北大地震を例として)

*西澤 勝1 (1.なし)

1. まえがき. 2011東北大震災の復興状況と問題点を現時点(2016、1月)で気付いたことを記す。都市部と沿岸部に分けて。

2. 都市部.
主として著者の居住地の仙台、2015地震学会の阪神、筑波の三都市である。浦安等の液状化はすでに報告済み。
仙台は、街中を歩いていると傾いている公共施設、マンション、ビルが目立つ。裁判所などは手に負えないのではないかと思われるくらい、長く工事している。中途半端に傾いているのが多いので、そのまま使っている建物が多い。中には経済的な理由があってか半壊の判定の建物に住んでいる場合もあるようだ。
筆者が判断するに、建物自体の欠陥理由の他に、あの大震災で、どうも仙台平野のあちこちで歪が生じ、大地そのものが変形しており、また所によってはその変形が現在も進行しているのではないかと思われるところもある。問題なのは、最近出来たばかりの病院や公共施設や特養、マンションと思われるようなビルが傾いていることである。横浜の傾いたマンションが話題になっているが、これなどは住民がよく調査し証明まで持っていったものである。ほとんどは皆さん、見て見ぬふりが多く、なにごとによらず、この国の未来が誠に心もとない限りである。
阪神、筑波は電車の中から見て気付いたのが最初であるが、阪神大震災の結果生じたのもあるかも知らないが、両地方共、2011大震災が震度6弱程度であったらしいので、2011の影響もあると思われる。大阪方面は、2011大地震による長周期地震動が問題になっているので、これによる傾きもあると思われる。筑波については、行ってみて“びっくり”でした。全く報道がなされていないので、これこそ、行ってみてびっくりだ。大都会の阪神とちがって、落葉や大きなドングリを踏みながら通学する学童は幸せだなあと、吾妻の小学生について行くと、道路や建物が破壊を受けている。歩いて国立科学博物館の(植物園)に行く途中の民家や建物もけっこう立派な被害を受けている。この学園都市は広大な原野から出来ているので、田畑や沼もあったりで、地盤の悪い所も散在しているようである。ここも2011で震度6弱程度はあったようである。まあ、こうしてみると、横浜のマンションのように、欠陥と決定してもおかしくない建物が、全国的に広く深く浸透しているように思われる。筆者の感想では、一般に“見てくれは良いが内味が薄ぺら”が多くなった。建物も外観は良い(立派)だが、いかにも薄ぺらなものが多くなった。これは監督する役人に、それだけの専門的知識も技量もない。ただいばって権力を奮うだけ。業者もそれを知ってるから、なるたけ金が儲かるように造る。全て、“使い捨て”の考え。物は言うまでもなく、“人も使い捨て”という考えの産物と思われる。
3. 沿岸部
気仙沼からの南三陸。女川、石巻。仙台線による沿線。浜吉田、亘理、阿武隈川、岩沼の海沿いを視察。気付いた点を列挙する。
イ). 海に堤防を造る。これはよほどの覚悟を要する。海岸線はむろん、海底、海流その他あらゆる状況が数年~数十年で変貌する。(主として気仙沼、南三陸)どのように変貌するかは現在の学問では判らない。
地相、動物相、植物相その他全ての相が変貌。離岸堤など簡単なものですら長い年月では期せぬことが。湾口防波堤は昔から、多くの港に築造されているが、必ず十数年すると、水質検査の必要が生じている。
湾内は静かになるが、海水の出入が制限されるから、あたりまえ。今回の津波では、転倒した防波堤があったが、これは自重で沈めて海底に設置されているので、それを圧倒する力(モーメント)が働けば当然そうなる。“薬と同じ。必ず構造物を造ると自然には副作用が生ずる。”「自然は最もデリケートで味わい深い生き物であります。」
ロ). 山を削り、盛土する場合。(主として女川町)女川町は震災直後と全く変貌していた。あちこちで山を削っていた。町中もあちこちで切った盛ったの変貌。“女川町は生れ変るんだ”という幕が。川は両岸と底もコンクリート。牡鹿半島は樹木にかくれて見にくいが、歩いて登るとかなりあちこち山や岸が削られている。あれでは牡鹿のツノがなくなってしまう。樹木を切ったら、心して植林をせよ。各地で嵩上げする土を山から持って来ているようですが、樹木がなくなると“土は死に”海の養分がなくなり、海も死ぬ。河をコンクリート造りにすると、生物は住めなくなるのはむろん、死んだ山の土砂がどっと海に流れ込む。
あちこちで、雨によって洪水、土石流が多発しているのは、山の荒廃による。
ハ). 河や内湾の“衝立”のような遮蔽板について。石巻の北上川や仙台線の内湾、松島の川の衝立板は眺めは悪い。しかしあの程度であれば隣接の浸水する住民の意見が優先されるものかとも。太平洋沿岸が70~80cm沈下したことから、止むを得ないと思われるところもある。
ニ). 既存の防潮堤上にさらに嵩上げする場合。(主として、石巻、浜吉田、亘理、岩沼)。堤上をずっと歩く。陸側には道路と防災林を造る。石巻では防潮堤を津波が乗り越えて侵入したらしいが、既存の防潮堤が生きていた。堤上を太平洋を見ながら歩くのは何とも心地よい.むろん堤の陸側からは海は見えない.家よりは高い.だから海を見るには堤上に昇るほかはない.歩きながら、つらつら思うに、どうせここまで嵩上げするのなら、もっと高くして、絶対に津波の心配がないように、もっと堤を幅太に造り、防潮堤そのものを(高速)道路(や公園)にしたらと思った。そして亘理方面の防災林も少なく、既にある高速道の中間に建造中の高速道もなくても良いような、それこそ“万里の長城”にも負けぬ“デン”とした高速兼用の防潮堤はどうか。名古屋は伊勢湾台風後、そんな立派な堤防にしたとかなんとか定かではないが。古い計画をくり返しているばかりではなんとも。頭を新しく洗脳して“新しいアイデア”を古いものの上にそれこそ嵩上げして復興してもらいたい。
まだ、ほんの一部見ただけ。これで良いとは思いませんが、現在までの感想といたし報告致します。なお、震災地の人々がコンビニを利用するのは、コンビニは全国チェーンで、朝は早く夜は遅く何よりも現地の店より“新鮮で安い”からと思われた。
○自然は地球の宝物。
○子供は未来の宝者。