日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT08] Geoscientific applications of high-definition topography and geophysical measurements

2016年5月22日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*早川 裕弌(東京大学空間情報科学研究センター)、佐藤 浩(日本大学文理学部)、内山 庄一郎(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、楠本 成寿(富山大学大学院理工学研究部(理学))、Wasklewicz Thad(East Carolina University)、Giordan Daniele(National Research Council, Rome)、小花和 宏之(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)

17:15 〜 18:30

[HTT08-P13] Shallow water bathymetry derived from visible satellite image: toward application to the waters around Japan

*松本 良浩1栗田 洋和1佐川 龍之2平岩 恒廣3 (1.海上保安庁海洋情報部、2.(一財)リモート・センシング技術センター、3.(一財)日本水路協会)

キーワード:bathymetry, shallow waters, satellite imagery, visible bands

浅海域において詳細な海底地形データを取得する手段として,人工衛星から得られる可視光の画像を利用して水深情報を抽出する技術の開発が近年各国水路機関の注目を集めている.こうした水深情報はSatellite Derived Bathymetry (SDB: 衛星画像推定水深と訳す)と呼ばれている.
人工衛星搭載の光学センサによって計測された衛星画像を用いて,光は水中において指数関数的に減衰していくという基本理論に基づき水深を算出する.ただし,実際には,光の水中における減衰率は海域によって一定ではなく,海底面の反射率も海底面の被覆物によって異なるなど,様々な要因がセンサで受信される光の量に影響を与えるため,その過程は複雑である.
著者らは,Lyzenga(1978)の手法を基にして,わが国の海域の特性を考慮しながらSDBの解析手法を開発し,実用に向けた検証を行ってきた.2009年10月に利用可能となった光学衛星WorldView-2は,8バンドの光学センサ(うち可視光は6バンド)を搭載し,1.8mの解像度が得られることから,本研究ではこの衛星画像を解析に用いている.浅海域の海底地形や航路障害物の短期間での概要調査や,津波シミュレーション等に使用できる海底地形データの取得に効果的であると期待している.
本ポスター発表では,日本周辺の各地の海域でSDBの解析を実施し,既存のマルチビーム測深や航空レーザー測深による測量結果と比較検証を行った結果を紹介し,こうして得られる海底地形データの利用法について考察する.
謝辞: 本研究は(一財)日本水路協会が実施する日本財団助成事業「衛星画像を用いた浅海水深情報の把握の調査研究」の一環として行っています.