日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT22] UAVが拓く新しい世界

2016年5月24日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*近藤 昭彦(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、井上 公(防災科学技術研究所)、長谷川 均(国士舘大学文学部地理学教室)

17:15 〜 18:30

[HTT22-P04] 200グラム未満の空撮調査用固定翼機の性能評価

*井上 公1中田 高2 (1.防災科学技術研究所、2.広島大学名誉教授)

我々は小型UAVを各種自然災害の調査研究やリスク評価・災害の監視・対応に活用するための実験を行っている。昨年(2015年)12月10日に航空法が改正され、無人機の飛行に対する規制が強化された。具体的には、これまで自由に飛行が可能であった人口集中地域の上空や、目視範囲外の遠距離飛行、日の出前や日没後の飛行等が、国交省の事前の許可・承認なしには行えなくなった。これは主として安全確保の観点からの禁止措置であり、必要な規制であるが、UAVの活用の自由度は大きく制限されることとなった。
一方この航空法の改正により新たに規制の対象となる「無人航空機」は、重量200g以上(バッテリを含み、取り外し可能なカメラ等は含まない)の機体に限られるため、200g未満の機体はこれまでどおり、空港周辺の制限表面と高度150m以上の空域以外は、航空法上は自由に飛行させることが可能である。
また軽量な機体ほど墜落時の危険性も小さく、特に発泡スチロール製で、プロペラが後ろ向きに取り付けられたプッシャータイプの固定翼機の場合は、重量が200g未満であれば、どのような状況の事故でも人や物を傷つける可能性は殆どないと言ってもよい。
そこで我々は、小型UAVの活用の自由度を広げることと、より安全に調査を行うことの二つを目的として、200g未満の発泡固定翼機の能力の評価を実施している。予備的な実験の結果からは、バッテリを含めて200g弱の機体に30g程度の小型フルHDカメラを搭載した場合、弱風であれば高度50m、時速30kmで5分間、距離2.5kmを飛行でき、狭い範囲の空撮調査には十分実用性があると考えられる。