10:45 〜 11:00
[HTT24-06] ソーシャルメディアを活用した駅空間の分析
キーワード:鉄道駅、ソーシャルメディア、データマイニング、空間分析
現代において、鉄道駅の存在は都市全体に影響を与えるものであり、国が推し進める鉄道総合改善事業により鉄道駅を中心としたまちづくりが行われている。とくに都心部の鉄道駅では、交通機関にとどまらない商業施設としての側面をもち、都市機能の中枢を担っている。しかし、利用者増加によるニーズの多様化、沿線環境の変化など、駅空間の充実と同時に問題点も多く出てきており、急速に変化する駅空間において、現状の問題点を改善したより魅力的な駅空間が求められている。一方、スマートデバイスの普及によって携帯端末を取り巻く環境は大きく変わった。その代表的が、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアである。 現代の情報化社会にとって、いつでも、どこでも、コミュニケーションを取ることができるというのは、まさしくソーシャルメディアを使っているということに他ならない。さらに、そのようなデバイスの普及に伴い、ビッグデータと呼ばれる新たなデータ群が創出された。そのような背景のもと、ビッグデータをどのように活用し、いわゆるデータマイニングを行ってどのような価値を生み出すかは、まさにアイデアやノウハウそのものであり、現代社会が今後考えなければならない大きな課題となっている。
本研究では、ソーシャルメディアに投稿されたテキストや画像を収集・活用し、鉄道駅と周辺地域の関係性を把握することを目的とする。ソーシャルメディアは、SNSやブログなど多岐にわたるが、本研究では、写真コミュニティサイトとTwitterを用いている。写真コミュニティサイトの写真情報とTwitterのテキストという2つの観点から研究を展開している。研究の方法は、大阪環状線を対象に、ソーシャルメディアから収集したデータの位置情報を空間上に定位するためにGISを使用し、空間分析に展開している。具体的には、位置情報と投稿されたデータの内容を分析することにより、空間と人の行動の観点から研究を展開している。また、人は道路を通って都市空間を移動している。したがって、本研究では、道路ネットワークを考慮した空間分析を行うことで、現実に即した結果を得ることが出来ると考えた。そこで分析には、ネットワーク空間解析ツールであるSANETを使用している。
写真コミュニティサイトを活用した空間分析では、研究に利用するデータは、WebAPIを活用することで収集している。大手写真コミュニティサイトの1つであるFlickrに投稿されたデータを収集し、合計8,065枚の写真情報を取得している。収集したデータは、GIS上で分析を行った。広域的分析として、写真撮影位置とイグレス要素(駅を降りてからの目的地)に対してクロス集計を行った。これにより、写真撮影位置とイグレス要素の連関を把握した。狭域的分析としては、前述したSANETを活用し、ネットワーク空間分析を行った。まず、ネットワーククロスK関数法により鉄道駅に対して写真撮影位置やイグレス要素がどのように分布しているかを把握した。また、ネットワークカーネル密度推定の結果をオーバーレイし、駅周辺地域と写真撮影位置の関係性を把握することができた。
Twitterを活用した空間分析では、APIを活用して36,799のテキストデータを取得し、テキスト分析と空間分析を行った。テキスト分析としては、まず、鉄道駅周辺におけるツイートのトピックを把握した。具体的には、ツイートに対して形態素解析を行い、共通の文字列や共起単語からツイートのトピックを分類した。次に、共起ネットワークを作成し、各トピック間の関係性を把握することができた。空間分析としては、まず、空間的自己相関分析を行い、各トピックがどのような分布性状であるかを把握した。次に各トピックのヒートマップを作成し、どこでどのトピックの頻度が高いのかを可視化した。そして、グルーピング分析を行い、トピック内容により分析対象範囲を詳細にグルーピングすることが出来た。最後に、類似ランキング•相違ランキングを算出し、その結果、人々の嗜好性や行動が類似しているエリア、類似していないエリアを把握し、行動予測や今後の都市計画への寄与できる結果を示した。
本研究では、空間情報技術と今後ますます発展が期待されるソーシャルメディアから収集したビックデータを融合的に活用した分析を行い、ソーシャルメディアのデータと駅空間の関係性を把握した。また、都市空間におけるビックデータの活用方法を示すことができた。
本研究では、ソーシャルメディアに投稿されたテキストや画像を収集・活用し、鉄道駅と周辺地域の関係性を把握することを目的とする。ソーシャルメディアは、SNSやブログなど多岐にわたるが、本研究では、写真コミュニティサイトとTwitterを用いている。写真コミュニティサイトの写真情報とTwitterのテキストという2つの観点から研究を展開している。研究の方法は、大阪環状線を対象に、ソーシャルメディアから収集したデータの位置情報を空間上に定位するためにGISを使用し、空間分析に展開している。具体的には、位置情報と投稿されたデータの内容を分析することにより、空間と人の行動の観点から研究を展開している。また、人は道路を通って都市空間を移動している。したがって、本研究では、道路ネットワークを考慮した空間分析を行うことで、現実に即した結果を得ることが出来ると考えた。そこで分析には、ネットワーク空間解析ツールであるSANETを使用している。
写真コミュニティサイトを活用した空間分析では、研究に利用するデータは、WebAPIを活用することで収集している。大手写真コミュニティサイトの1つであるFlickrに投稿されたデータを収集し、合計8,065枚の写真情報を取得している。収集したデータは、GIS上で分析を行った。広域的分析として、写真撮影位置とイグレス要素(駅を降りてからの目的地)に対してクロス集計を行った。これにより、写真撮影位置とイグレス要素の連関を把握した。狭域的分析としては、前述したSANETを活用し、ネットワーク空間分析を行った。まず、ネットワーククロスK関数法により鉄道駅に対して写真撮影位置やイグレス要素がどのように分布しているかを把握した。また、ネットワークカーネル密度推定の結果をオーバーレイし、駅周辺地域と写真撮影位置の関係性を把握することができた。
Twitterを活用した空間分析では、APIを活用して36,799のテキストデータを取得し、テキスト分析と空間分析を行った。テキスト分析としては、まず、鉄道駅周辺におけるツイートのトピックを把握した。具体的には、ツイートに対して形態素解析を行い、共通の文字列や共起単語からツイートのトピックを分類した。次に、共起ネットワークを作成し、各トピック間の関係性を把握することができた。空間分析としては、まず、空間的自己相関分析を行い、各トピックがどのような分布性状であるかを把握した。次に各トピックのヒートマップを作成し、どこでどのトピックの頻度が高いのかを可視化した。そして、グルーピング分析を行い、トピック内容により分析対象範囲を詳細にグルーピングすることが出来た。最後に、類似ランキング•相違ランキングを算出し、その結果、人々の嗜好性や行動が類似しているエリア、類似していないエリアを把握し、行動予測や今後の都市計画への寄与できる結果を示した。
本研究では、空間情報技術と今後ますます発展が期待されるソーシャルメディアから収集したビックデータを融合的に活用した分析を行い、ソーシャルメディアのデータと駅空間の関係性を把握した。また、都市空間におけるビックデータの活用方法を示すことができた。