日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT24] 地理情報システムと地図・空間表現

2016年5月22日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、吉川 眞(大阪工業大学工学部)、鈴木 厚志(立正大学地球環境科学部)

17:15 〜 18:30

[HTT24-P02] 陰陽図による地形表現手法と地質・防災・文化歴史・資源探査への試み

★招待講演

*此松 昌彦1秋山 幸秀2 (1.和歌山大学教育学部、2.朝日航洋株式会社)

キーワード:陰陽図、レーザー測量、微地形解析

レーザ測量による地形データの取得とそのデータを使って多様な表現方法があって、微地形解析などに利用されている。陰影図、段彩図、傾斜量図などがある。本研究では朝日航洋株式会社の陰陽図という手法を利用して、和歌山県の微地形調査を行い、実際のフィールドと比較して、地質、防災、歴史文化、資源探査への貢献について比較することができた。その結果、陰陽図でみられる微地形解析による仮説とフィールド調査による結果と整合があり、今後、微地形解析によって従来に検討することができないをフィールドとして現地調査と比較することができたので報告する。
準備した標高データ:紀伊半島の5m~10m数値データ(国土地理院)、
1mDEM(和歌山県那智勝浦町:那智谷データ。大規模土砂災害対策研究機構の協力によって、紀伊山地砂防事務所によるデータで紀伊半島大水害後のデータ)
○地質による検討
大規模陰陽図による地質との検討。
変成岩(三波川帯)、花こう斑岩(熊野酸性火成岩)、付加体、前古海盆の堆積層(熊野層群)と比較することによって、大まかな地質の違いが表現できている。
○防災による
1mDEMの陰陽図によって、多くのリニアメント、土砂災害地形の抽出を行った。
○文化歴史
那智勝浦町において、棚田が第三紀層(熊野層群)と花崗岩斑岩との境界まであることが明らかになった。一般的な地形図では読み取れなく、また山道などもはっきり示されている。また山城跡の痕跡が明らかになり、歴史学への貢献につながる。
○資源探査
かつての鉱山の鉱脈がをリニアメント方向へ同じようだと推定することができた。
課題:今後は歴史研究者や防災研究者と議論できそうで、微地形から仮説を提案していける。