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[MGI21-09] 多点地上GNSS受信機による電離圏監視システム
キーワード:電離圏全電子数監視システム、地上GNSS受信機網、GEONETリアルタイムデータ
情報通信研究機構(NICT)では、NICTサイエンスクラウドを活用し、国内外の多点GNSS受信機網データを自動収集・処理する電離圏全電子数(Total Electron Content: TEC)観測システムを構築・運用している。収集する地上GNSS観測点は、2016年1月現在、国内外で約7,000点以上におよぶ。特に観測点が密に分布する日本・北米・欧州では、高密度・高時間分解能の2次元TECマップの作成が可能であり、数100km~数1,000kmスケールの電離圏擾乱現象の全体像が明らかになってきた。これらのTECマップは、全球版のTECマップと共にアーカイブ化され、ウェブサイトで公開されている(http://seg-web.nict.go.jp/GPS/DRAWING-TEC/)。また、国内のTECマップに関しては、これまで利用可能であった確定版と準リアルタイム版に加え、2015年度より、更に遅延時間の少ないリアルタイム版が利用可能となった。リアルタイム版では、国土地理院より提供される地上GPS受信機のストリーミングデータを受信してリアルタイムでTECを算出することにより、数分以内の遅延でTECマップを作成することを可能としている。本発表では、多点地上GNSS受信機による電離圏観測システムについて紹介し、日本上空のリアルタイムTEC監視システムの運用状況を報告する。