日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI21] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2016年5月24日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、堀 智昭(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、豊田 英司(気象庁予報部業務課)、寺薗 淳也(会津大学)、若林 真由美(基礎地盤コンサルタンツ株式会社)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)、大竹 和生(気象庁気象大学校)

[MGI21-P03] 高品質ボーリング情報による地質解析を支援するソフトウェア「コアロク」の開発

*西山 昭一1須田 ゆきえ1古宮 一典1森山 豊1谷川 正志1 (1.応用地質株式会社)

キーワード:高品質ボーリング、地質解析、情報処理、ソフトウェア、コアロク

高品質ボーリングは、ダム建設や地すべり対策等のシビアな地盤リスク評価を求める事業において、精度の高い地質解析を行うために活用が進んでいる。これは、高品質ボーリングにより得られるコア試料からは、微細な変形構造や詳細な地質変化の判読が可能となるなど、地質情報の質と量が格段に優れているためである。一方で、デジタル写真技術の発達により、採取直後の状態をより高画質・大容量の画像情報としても扱えるようになり、画像情報と判読情報をリンクするデータベースとしての利用も期待される。しかし、コア試料は観察・分析行為自体や環境条件により急速に劣化するため、情報の速やかな取得と効率的な解析処理が課題となる。これらの課題解決を目的に、高品質コア判定作業の効率化・定量化・データベース化を支援するソフトウェア「COREROKU(コアロク)」の開発を進めている。
コアロクの最大の特徴は、判読項目を任意に組み合わせた柱状図やグラフとして数秒で可視化することにある。この機能により、コア観察作業を行いながら全体の地質状況を速やかに俯瞰できるため、より定量的な分析を支援するとともに、観察者の作業時間削減や業務効率化に寄与することも可能と考えられる。また、事業関係者との情報共有・コミュニケーションツールとしての利用も期待される。
コアロクでは、データ入力の背景図として高画質のコア写真を利用し、ボーリングコア試料の観察結果をわかり易く・容易な手順で記録する。データ入力は、基本的なJACIC基準柱状図に対応する判定項目以外にも、面構造の種類や礫形状等のトレース、堆積相解析に必要な粒度・堆積構造・含有物等の入力、各種試験情報の入力、入力データの統計的な解析などを行える。ボアホールの孔壁画像を所得している場合、面構造の入力・図化・ステレオ構造解析も可能である。また、柱状図と地質構造情報は三次元地質解析システムにインポートして解析に利用できる。
コアロクは、実業務に適用し機能・性能の検証作業を進めているところであり、本発表では開発内容について紹介する。