日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI21] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2016年5月24日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、堀 智昭(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、豊田 英司(気象庁予報部業務課)、寺薗 淳也(会津大学)、若林 真由美(基礎地盤コンサルタンツ株式会社)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)、大竹 和生(気象庁気象大学校)

17:15 〜 18:30

[MGI21-P05] あけぼの衛星の大規模波動データセットからのコーラスの周波数変化の自動抽出

神林 卓也1、*後藤 由貴2笠原 禎也3 (1.金沢大学大学院自然科学研究科電子情報科学専攻、2.金沢大学理工研究域電子情報学系、3.金沢大学総合メディア基盤センター)

キーワード:コーラス、あけぼの衛星、自動抽出

地球磁気圏では、荷電粒子であるプラズマの運動により様々な波動現象が生じている。コーラスは、波動・粒子相互作用により生じるプラズマ波動のひとつであり、内部磁気圏における様々な物理現象と密接に関わっていることが知られている。コーラスの成長メカニズムは長年議論されてきたが、計算機シミュレーションにより、非線形成長が関わっていることが提唱されている。コーラスは、時間と共に周波数が上昇するという特徴を持つが、非線形成長理論ではこの周波数変化率と波動強度との関係が重要とされる。
本研究では、あけぼの衛星の波動データを用いて、コーラスエレメントの周波数変化率と波動強度に関する統計的解析を行うことを目的としている。あけぼの衛星は1989年から2015年まで内部磁気圏の観測を行ってきた科学衛星である。27年間におよぶ膨大な取得データにおいてコーラスが発生しているデータは一部であり、全てのデータを目視で確認して抽出することは現実的でない。そこで、まず、観測データからコーラスを自動抽出し、周波数変化率を取得するテンプレートマッチング手法の開発を行った。ピアソンの積率相関とスピアマンの順位相関を合わせた相関係数をマッチングの評価関数とすることで、精度の高い抽出法を実現した。観測データに適用した結果、コーラスエレメントの周波数変化率と波動強度の間に正相関があることが確認された。