日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI22] 計算科学による惑星形成・進化・環境変動研究の新展開

2016年5月24日(火) 09:00 〜 10:30 A07 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*牧野 淳一郎(理化学研究所計算科学研究機構)、林 祥介(神戸大学・大学院理学研究科 惑星学専攻/惑星科学研究センター(CPS))、井田 茂(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)、相川 祐理(筑波大学計算科学研究センター)、小河 正基(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、梅村 雅之(筑波大学計算科学研究センター)、座長:井田 茂(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)

09:00 〜 09:15

[MGI22-01] 「京」からポスト「京」へ

*牧野 淳一郎1 (1.神戸大学理学研究科惑星学専攻)

キーワード:大規模数値計算、計算科学

本講演では、「京」、ポスト「京」について、その計画の概要、サイエンスを 推進していく体制等の概要と、惑星科学研究との関係について述べる。
「京」は 2011年度に完成、2012年度に共用開始した、理論ピーク性能 10PF強 と現時点で国内最高速、世界でも第4位のスーパーコンピューターである。 「京」による科学技術研究については、5つの「戦略分野」が選ばれ、年間5億 円程度の研究費で「京」向けのソフトウェア開発と「京」を使った研究を推進 してきた。惑星科学・太陽圏科学については、分野5「物質と宇宙の起源と構 造」において、MHD シミュレーションによる太陽対流圏の研究や、N体シ ミュレーションによる惑星形成研究等が行われている。これらは、従来の並列 計算機での計算規模をはるかに超える数千から数万ノードでの高い実行効率 での並列化に成功し、大きな成果をあげた。
2014年度から、アプリケーション性能で「京」の100倍を目指す、ポスト「京」 システムの開発が始まっている。これは、2019-20年頃の完成を予定している。 開発担当は「京」の開発も行った富士通であり、「京」と同様な汎用メニーコ アプロセッサをトーラスネットワークで接続したものになる計画である。 ポスト「京」については、「京」の5戦略分野に代わるものとして、9個の 「重点課題」と4個の「萌芽的課題」 が選定されている。惑星科学は、「萌芽的課題」の一つ、 「太陽系外惑星(第二の地球)の誕生と太陽系内惑星環境変動の解明」として ポスト「京」で実施するテーマとなっている。 重点課題については既に実施体制が決まっているが、「萌芽的課題」について は現時点(2016/1)ではまだ決まっていない。講演時点ではある程度進展が あると期待できるので、その状況を報告する。