日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS02] International Geosciences and Geoparks Programmeのこれから

2016年5月24日(火) 10:45 〜 12:15 A01 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*中田 節也(東京大学地震研究所)、渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、目代 邦康(自然保護助成基金)、斎藤 文紀(国立研究開発法人産業技術総合研究所地質情報研究部門)、座長:Chakraborty Abhik(伊豆半島ジオパーク)、目代 邦康(自然保護助成基金)

10:45 〜 11:15

[MIS02-06] Origin and future of Global Geoparks

★招待講演

*まるてぃに ぎー1 (1.オート・プロヴァンスユネスコグローバルジオパーク)

キーワード:International Geosciences and Geopark Program, Global Geoparks Network, Geopark

地質学的なサイトの保全意識を向上させるために、そしてその遺産としての価値を考えることで、ジオパークの考え方は30年以上前に生まれた。ジオパーク実現の過程で最初のマイルストーンは「地球の記憶の権利に関する国際宣言(フランス・ディーニュ)」の採択である。
1995年から2000年にかけて、中国で「地質公園」の考え方が発展している頃、ヨーロッパの4つの地域(フランス、ギリシャ、ドイツ、スペイン)がユネスコと協力して持続可能な発展のツールとしてのジオパークの実験を行うプログラムをヨーロッパで行った。このプログラムは、国際的な価値のある地質遺産をその地域の自然・文化・無形遺産とつなげて、経済的にも持続的な発展のための総合的な戦略を実現するという、ジオパークの考え方の基礎を築いた。
2000年に、ユネスコの支援の元ヨーロッパジオパークネットワーク(EGN)が設立された。この新しいネットワークの成功によりユネスコは2004年に同じ考え方で世界ジオパークネットワークを立ち上げた。このネットワークは速いスピードで世界中に広がり、メンバーは2015年には33ヵ国120のジオパークに広がった。
この大きな成功と世界中から寄せられた大きな関心を考えると、これらのジオパークのメンバーにとっての弱点は、ユネスコから公式な支援がないことであった。そこで新たに公式なユネスコのサポートを得る方法が探られた。2015年11月に、ユネスコ総会はIGGPプログラムを採択し、既存のジオパークをユネスコグローバルジオパークに移行させることを決めた。ユネスコグローバルジオパークは世界ジオパークネットワークと協力してユネスコが運営する。
ジオパークのこれまでの考え方を全く変えないで達成されたこの進歩により、ジオパークの審査・認定は最終的にユネスコ執行委員会で行われることとなった。ユネスコ公式プログラム化により、世界ジオパークネットワークは、運営の質やメンバー間のコミュニケーションとネットワーキング、さらには酷さ協力などを強めていく責任を負うことになった。ジオパークは、新たな統合的な持続可能な経済活動のために地球の記憶が人類の記憶に出会う、21世紀の新しいタイプの地域であり、大きな可能性を秘めている。