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[MIS08-P01] DEMETER衛星VLF帯電場波形データを用いた地震に先行するVLF帯電波強度減少現象の研究
キーワード:地震、下部電離圏擾乱、DEMETER衛星
地震に先行する電離圏擾乱の研究のためにフランスCNESよりDEMETERが2004年より打ち上げられ2010年まで運用された。数々の先行現象の報告があるなかで、夜間VLF帯電波強度減少現象(Němec et al., GRL, 2008)は事例数が多く統計的に有意な地震先行的変動である。これらの研究は地震発生4時間前に1.7kHz周辺の強度が減るということを統計的に示しているが、軌道データ上の時系列波形データからどのような信号が減っているかについては詳細に述べていない。本研究では、地震発生前の震央付近上空において電磁波強度が減少している軌道データのうち波形データに着目して減少の発生原因をさぐる。まず統計的減少を示した条件に合致する軌道の電場強度データの抽出を行った。それらの軌道の電場データの重ね合わせを行うと、震央付近で電場強度が減少していることを確認できた。そのような変化を示すものが統計的なデータに特に寄与したものであると考えられるので、それと相関が特に良い軌道の電場データにおいて解析を行った。DEMETER衛星によって観測されたVLF帯電場データは、プラズマポーズ付近で生じたELFヒス電波や地球で軍事用に使われている人工的な電波や雷起源の電磁波であるホイスラー波など様々な電波を観測し記録した。その中でもホイスラー波は雷起源であるがゆえに強度も高く、しかも震央付近上空の電離圏下部を通過して伝搬してくるので、重要な情報を与えてくれるのではないかと考える。したがって、本講演では地震前のホイスラー波を独自のアルゴリズムで抽出し、詳細に解析した内容を報告する。