17:15 〜 18:30
[MIS09-P03] 日本海東縁に分布する海底下砂質堆積物薄層の堆積環境および初期続成作用
2010年に実施したマリオン航海(MD179)で採取した泥質堆積物について、初期続成作用を把握するために孔隙率と孔径分布を測定しそれらの深度変化を検討した。さらに、2014年の白嶺航海(HR14)および2015年のポセイドン航海(PS15)で採取されたコア試料についても、孔隙率と孔径分布を測定し同様の検討を行った。これらの堆積物は暗緑灰色~オリーブグレイの色を呈するシルト~粘土サイズ堆積物を主体とし、しばしば砂薄層およびラミナが夾在する。顕微鏡観察の結果、石英や長石などの砕屑粒子のほかに#3304(海鷹海脚中央)と#3299(海方海脚東方)のコア試料に有孔虫(大きさ0.2~0.4mm)が確認できた。また、いずれのコア試料でも珪藻およびその破片が多いことが確認できた。珪藻は、形が保持されたものもあったが、多くが破片状のものであった。#3299(海鷹海脚東方)、#3304(海鷹海脚中央)および#3317(上越海丘南方)のコア試料では、極細粒の砂質堆積物が確認できた。また、各サイトおよび深度の大きな変化はないが、珪藻やフランボイダル黄鉄鉱が特徴的に産している。孔隙率測定では、ほとんどのコア試料で孔隙率は深度が深くなるにつれて、やや減少あるいは大きな変化が見られないといった結果が多い中で、#3304とHR14、PS15の一部のコアなどにおいては深度につれて孔隙率がやや増加する傾向が認められた。これは、珪藻の形状と含有量の影響が大きいと思われる。また、夾在する砂薄層およびラミナについて、これらを構成する砂粒の種類と含有量を分析し、粗粒堆積物の堆積環境および供給源について検討中である。
本研究は、経済産業省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。
本研究は、経済産業省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。