[M-IS09] ガスハイドレートと地球環境・資源科学

[MIS09-P10] 最上トラフにおけるガスチムニーの分布と堆積物間隙水の地球化学

*廣瀬 奈津美¹、亀田 凌平¹、戸丸 仁¹、松本 良² (1.千葉大学大学院理学研究科、2.明治大学研究知財戦略機構)

キーワード：ガスハイドレート、ガスチムニー

日本海東縁に分布する表層型ガスハイドレートはガスチムニー構造を伴って発達することが多く，ガスハイドレートの探査だけでなく，ガスハイドレートの分布や賦存状態を解明するためにも，ガスチムニー内部のガスや間隙水の化学的な構造を解明することは重要である．本研究では，最上トラフにおけるガスチムニー直上とその周囲の堆積物間隙水の化学分析を行い，ガスチムニー内の間隙水の地球化学的特徴をあきらかにするとともに，その特徴がガスチムニーの周辺でどのように変化していくのかを，ガスチムニーからの距離と化学成分の比較を行い定量的に明らかにすることを目的とした． ガスチムニーからの距離とアルカリ度の濃度勾配およびSMI深度の変化には強い相関が見られ，ガスチムニー直上または内側から遠ざかるほどに減少した．また，ガスに富む流体の影響がおよぶ範囲はガスチムニーの規模によって異なり，同じ最上トラフ内でもガスチムニーの活動度が海域によって異なることが明らかになった．