日本地球惑星科学連合2016年大会

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ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS10] 地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*伊賀 啓太(東京大学大気海洋研究所)、中島 健介(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、柳澤 孝寿(海洋研究開発機構 地球深部ダイナミクス研究分野)、相木 秀則(海洋研究開発機構)

[MIS10-P10] チチウスボーデの法則,月の形成メカニズム,プレートテクトニクスの駆動力を統一的に説明する「マルチインパクト仮説」の,アブダクションで地球進化を解明, ダイヤモンド形成の謎に迫る

*種子 彰1 (1.SEED SCIENCE Lab.)

キーワード:チチウスボーデの法則、月の形成メカニズム、プレートテクトニクスの駆動力、マルチインパクト仮説、アブダクション

アブダクションの有効性は,「物理的に意味が有る仮説」の選択で全てが決定される.
「複数の結論が現状を相互に矛盾なく系統的に説明できること」がその証明となる.
「マルチインパクト仮説」は,(A)と(B)の仮説と以下の「月と地球のミッシングリンクを繋ぐ」統一的な推論を得た.
(A)太陽系の小惑星帯位置に形成された火星サイズの分化した原始惑星CERRAが,その直近の木星(巨大質量)の摂動により,
軌道が木星近点側に偏平化する.
(B)そのCERRAが木星衝突する直前に,木星と太陽の張力で断裂し,そのマントル片が地球軌道と交差しており地球と衝突する.
アブダクションによる<結論> * :プレートテクトニクスの起源関係の流動 ◎ : キンバーライトパイプの起源と流動, ダイヤモンド形成
(1)月の起源 :マントル片が地球に衝突(12.4km/s,36.5度:理論計算から)し,軌道半径60・Re位置に形成,月形成メカニズム
*(2)環太平洋弧状列島縁海起源 : 月形成時の太平洋位置衝突では,全方向へ凹縁海形成.
*(3)月形成衝突で大量のマントル欠損により,コア偏芯(約10%)のブラジルのバンアレン帯が低下.
*(4)CERRAが木星摂動で軌道偏平し断裂するまで約5~6億年掛かり,既に分化冷却していた.
*(5)地球へ複数のマントル片が衝突して,マントル剥離しアイソスタシーで-5kmの地球表面の70%海が形成した.
*(6)プレートテクトニクスPTの起源,駆動力は衝突による偏芯と慣性モーメントの最小化である
*(7)プレート境界の起源 :マントル片衝突による地殻剥離と亀裂形成
*(8)弧状列島と縁海盆凹プレートの起源 : 衝突によるマントル欠損とアイソスタシーでプレート凹形成
*(9)凸プレート沈み込み開始の起源 :その駆動力で凹プレートと凸プレートが押し合うと凹の下に凸が潜り込む原因となる.
◎(10)何故キンバーライトパイプが南アのプレミアやロシアのミルーヌィ地区に形成されたのか?
⇒ハワイ位置の衝突,衝突エネルギーが地球反対側に集中して内圧となりパイプが噴出した、その後大陸移動した.
◎(11)ミルーヌィ鉱山の反対側のDrake Passageに衝突して、南極大陸が移動して安定化した.
◎(12)何故地軸が公転面から23°傾いたか? ⇒そのDrake(高緯度)位置へのCERRA分裂片の衝突と推定した。
(13)CERRAの断裂時の破片は小惑星帯の起源である.長半径(運動エネルギー)の分布で理解
(14)隕石には,分化した石質・石鉄・鉄隕石が混在しているが それはCERRAの破片と理解できる.
(15)CERRAの破片は複数あり, 順次衝突して 度重なる生物絶滅が起きた.
(16)セラのコアとマントルの一部は質量が大きい為に速度が低下し, エネルギー等分配の法則により軌道エネルギーの低い水星(多くの割合をコアが占める)となった.
(17)CERRAの破片が木星へ衝突した事が, 大赤斑の起源となった.
cf.シューメーカーレビ9号彗星が1997年7月に木星に衝突し,衝突痕は小赤斑として約半年間残った.
彗星より大きいセラの破片なら,数億年前から消えることなく大赤斑を維持できる.これで実証実験が済んだのか?
小惑星帯の起源を推定することで,サンプルリターン計画で何を解明するかの目的が明確となる.