日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS12] 結晶成長、溶解における界面・ナノ現象

2016年5月22日(日) 09:00 〜 10:30 A07 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*木村 勇気(北海道大学低温科学研究所)、三浦 均(名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科)、塚本 勝男(大阪大学大学院工学研究科)、佐藤 久夫(三菱マテリアル株式会社エネルギー事業センター那珂エネルギー開発研究所)、座長:佐藤 久夫(三菱マテリアル株式会社エネルギー事業センター那珂エネルギー開発研究所)

09:45 〜 10:00

[MIS12-03] Electron Backscatter Diffraction (EBSD)法による結晶方位同定のためのEuler角の検討

*森田 博文1Goulden Jenny2 (1.オックスフォードインストゥルメンツ株式会社、2.Oxford Instruments Nanoanalysis)

キーワード:オイラー角、EBSD

近年走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた電子線散乱回折(Electron Backscatter Diffraction)-いわゆるSEM-EBSD法の地質学領域への応用が広がっているが、これまでの金属学の領域での応用の多くは立方晶での方位解析であった。しかし次第に金属・半導体・地質などのより広い領域や複雑な材料に広がるにつれて、六方晶や正方晶などの180度対称性の結晶への応用の必要性が高まってきている。EBSD法では菊地パターンから指数付けを行っているので、菊池パターンの対称性で識別できない方位に関しては方位を完全に決定することは難しい場合がある。さらに測定試料を70度に傾斜して測定するため、試料の傾斜方向、検出器との相対関係、SEMのスキャン方向などのパラメターが最終的な方位決定のために重要な役割を果たしている。3次元の方位を示すEuler角の定義はBungeの表記法に則っていることが多くの場合測定の基準であるが[1][2][3]、その表記法も測定系の座標によって異なる場合がある。今回は測定系の座標とEuler角の関係をまとめて各々の測定系での解釈の仕方を整理した。特に六方晶や正方晶などの対称性の低い結晶での方位の解釈を中心にして、90度対称性と180度対称性および360度対称性での結果の違いを試みている。
参考文献
1. Randle, V., and Engler, O., Texture Analysis, Macrotexture, Microtexture and Orientation Mapping, Taylor and Francis, 2000, ISBN 9056992244
2. Bunge, H.J. 1982. Texture Analysis in Materials Science – Mathematical Methods. Butterworths, London.
3. Bunge, 1993, Texture Analysis in Materials Science, ISBN 3-928815-18-4)