日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS13] 遠洋域の進化

2016年5月23日(月) 09:00 〜 10:30 203 (2F)

コンビーナ:*松岡 篤(新潟大学理学部地質科学科)、栗原 敏之(新潟大学大学院自然科学研究科)、加藤 泰浩(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)、尾上 哲治(熊本大学大学院自然科学研究科)、木元 克典(独立行政法人海洋研究開発機構)、野崎 達生(海洋研究開発機構海底資源研究開発センター)、植田 勇人(新潟大学理学部地質科学科)、小林 健太(新潟大学理学部地質科学科)、長谷川 卓(金沢大学自然システム学系)、座長:松岡 篤(新潟大学理学部地質科学科)、栗原 敏之

[MIS13-02] プレートテクトニクスの起源,深海洋底の起源,駆動力の解明,マルチインパクト仮説による

*種子 彰1 (1.SEED SCIENCE Lab.)

キーワード:プレートテクトニクスの起源、深海洋底の起源、駆動力の解明、マルチインパクト仮説、地球高さの二山頻度、CERRAマントルが断裂した破片の衝突で月形成

A Wegenrが大陸の南北アメリカのとアフリカの沿岸プロフィールが一致することから,大陸移動仮説を提唱して,古生物学や地質の連続性を根拠に証明しようとした.今では海洋底拡大仮説やマントル熱対流仮説や大西洋中央海嶺の発見やトランスフォーム断層の発見や地磁気の反転と海底テープレコーダー仮説など実証的な観測でプレートテクトニクスがほぼ定説となっている.しかし,ウェゲナーが示せなかった大陸移動の駆動力はプレートテクトニクスでもまだ謎のままである.ウェゲナーが指摘していた,70%を占める深海洋底(-5km)の形成起源やプレート境界の起源,プレートテクトニクスの起源を探究する努力が忘れられていた.弧状列島と海盆の起源も謎のままである.
この全てを統一的に解明できる新パラダイムが望まれていた.それはアブダクションによるマルチインパクト仮説であり,地球物理学と太陽系惑星学から"地球と月のミッシングリンクの解明"で述べられた.それによると,このプレートテクトニクスの起源の他に,月の形成や深海洋底の起源,コアの偏芯や木星大赤飯の起源や水星や冥王星の起源,更には小惑星帯の起源や分化した隕石の起源も統一的に解明できる新パラダイムの提案である.アブダクションは,ある仮説による結論が複数の現状を説明できれば出来るほどその仮説の正しさが保証されるという考え方である.発想の大転換であり創造的推論と呼ばれており,物理的意味がある仮説で,アイデアが正しければ,飛躍的な進歩が得られる.
太陽系の誕生から約40億年前まで経過してCERRAが木星摂動により軌道変形し木星と太陽の張力で断裂した時,CERRAと地球は分化凝固していた. 本仮説では複数マントル破片がほぼ同じ軌道を巡りの廻り巡り間欠的に衝突することが,度重なる生物種大絶滅の原因であり,マントルを剥ぎアイソスタシーにより5km 深さの海の起源となった.アイソスタシーにより衝突マントル欠損部にダーウィンの隆起が起きたとき,周囲の地殻が剥離したプレートが凹型にへこんで,その境界亀裂が弧状列島を形成した.太平洋を中心とした弧状列島やテーチス海の形成時のジャワ島等,弧状列島の外側に連なる海溝弧はプレートが弧状列島の下に潜り込みを示しています.プレート境界は複数のマントル断裂片が地球へ衝突した時の亀裂に起因している.本仮説では,地球が自転している為,衝突により欠けたマントルがアイソスタシーで凸になった時,慣性モーメントが不均一(アンバランス)になった地球では,慣性モーメントを最小にする駆動力が発生する.
一つの仮説だけで,全ての謎を統一した進化として説明できる事は,アブダクションの成果である.