17:15 〜 18:30
[MIS14-P01] 雷発生のメカニズム
キーワード:地震予知、地震前兆電界、中緯度の雷、低緯度の雷、噴煙中の雷
1.中緯度の雷発生
中緯度では、積乱雲の -10℃以下の領域で水滴は氷晶となっている。固体の融点は表面の方が内部よりも低い。それ故、氷晶の場合 -10℃付近では氷晶は水膜で覆われている。氷晶内には正孔(ph)と自由電子(fe)が同数あり、phは結晶から抜けだせないがfeは水膜に移動できるため、氷晶は負に帯電した水膜で覆われる。積乱雲の中では氷晶は激しく衝突し合っており、-10℃以下では、衝突の多くは弾性的である。衝突の際の速度変化は小さい氷晶の方が大きい氷晶のそれよりも大きいため、氷晶間の衝突により、小さい氷晶の水膜は大きい氷晶に移り、小さい氷晶は、小さくなるとともに正に帯電し、上昇気流により雲頂に運ばれ、雲頂は高電圧となる。
一方、大きい氷晶は、大きくなるとともに負に帯電し、地表に落下する(付図1& 2)。
2.低緯度の雷発生
低緯度では水滴は凍らないため、メカニズムは中緯度とは異なる。雲頂は上記のメカニズムにより高電圧となり(付図2)、積乱雲の雲頂は約100 MVに達し、電離層にたいし高電圧となり、電離層から電子・負イオンが雲頂に流れ込み、電離層と地表の電位差は数百万Voltとなる。このため積乱雲内部の電界は、上向きで約1000v/m になっている。このため、水滴の上部は負に、下部は正に偏極する。積乱雲内では上昇気流のため、小さい水滴は大きい水滴よりも高速になっており、小さい水滴は、大きい水滴の下部に衝突し、小さい水滴の上部の負の電荷が大きい水滴の下部の正の電荷と中和し、小さい水滴は正に帯電し(付図3)、中緯度の場合同様に、雲頂を高電圧にする。
3.火山の噴煙内の雷の発生
火山の噴煙でも雷の発生が観測されている。噴煙の場合は、火山噴出物(火山灰・礫・岩塊)の摩擦電気による帯電であり、帯電した噴出物は、上記の2の低緯度の雷発生と同じ理由により、火山灰・礫・岩塊の上部を正に帯電させ(付図3)、上記2と同じメカニズムで噴煙の上部を正の高電圧にする。この高電圧は観測されており、上記のメカニズム1・2が共に妥当なことを示している。
4.地震前兆電界(付図2)
地震前兆電界が下記のメカニズムで発生する可能性が大きい。
(1) 震源域の地殻の結晶境界面に地震前に微小亀裂が発生し、間隙水が浸透する。
(2) この間隙水に結晶境界面のウラン化合物・ラジウム化合物・ラドンなどの放射性物質が溶け出す。
(3) 亀裂により間隙水が地表と繋がり、放射性物質を含む水が震源域の地表に噴出する。
(4) 地表に出た放射性物質により、下層大気が電離し、電気伝導度が局所的に増加する。
(5) 地表と電離層間の数百万Voltの電位差と電気伝導度の局所的増加により、宇宙線シャワーの軌跡に沿った電流が、震源域で局所的に一時的に増大する。
(6) この電流は間歇的脈流であり、広帯域の地震前兆電界が発生する。
上記のメカニズムの(3)の放射性物質及び(5)の電流による地震雲及び(6)の広帯域電波は観測されており、地震前兆の微小亀裂発生の可能性及び上記のメカニズムの妥当性は大きい。
5. 前兆電界による地震予知
震源域は微小亀裂の発生領域と一致すると考えられるため、前兆電界の発生領域が震源域となる。規模は震源域の広さにほぼ比例するため、前兆電界の発生領域の広さから推定できる。発生日時は、巨大地震の場合、前兆電界が観測され始めてから約一週間後に発生している。
中緯度では、積乱雲の -10℃以下の領域で水滴は氷晶となっている。固体の融点は表面の方が内部よりも低い。それ故、氷晶の場合 -10℃付近では氷晶は水膜で覆われている。氷晶内には正孔(ph)と自由電子(fe)が同数あり、phは結晶から抜けだせないがfeは水膜に移動できるため、氷晶は負に帯電した水膜で覆われる。積乱雲の中では氷晶は激しく衝突し合っており、-10℃以下では、衝突の多くは弾性的である。衝突の際の速度変化は小さい氷晶の方が大きい氷晶のそれよりも大きいため、氷晶間の衝突により、小さい氷晶の水膜は大きい氷晶に移り、小さい氷晶は、小さくなるとともに正に帯電し、上昇気流により雲頂に運ばれ、雲頂は高電圧となる。
一方、大きい氷晶は、大きくなるとともに負に帯電し、地表に落下する(付図1& 2)。
2.低緯度の雷発生
低緯度では水滴は凍らないため、メカニズムは中緯度とは異なる。雲頂は上記のメカニズムにより高電圧となり(付図2)、積乱雲の雲頂は約100 MVに達し、電離層にたいし高電圧となり、電離層から電子・負イオンが雲頂に流れ込み、電離層と地表の電位差は数百万Voltとなる。このため積乱雲内部の電界は、上向きで約1000v/m になっている。このため、水滴の上部は負に、下部は正に偏極する。積乱雲内では上昇気流のため、小さい水滴は大きい水滴よりも高速になっており、小さい水滴は、大きい水滴の下部に衝突し、小さい水滴の上部の負の電荷が大きい水滴の下部の正の電荷と中和し、小さい水滴は正に帯電し(付図3)、中緯度の場合同様に、雲頂を高電圧にする。
3.火山の噴煙内の雷の発生
火山の噴煙でも雷の発生が観測されている。噴煙の場合は、火山噴出物(火山灰・礫・岩塊)の摩擦電気による帯電であり、帯電した噴出物は、上記の2の低緯度の雷発生と同じ理由により、火山灰・礫・岩塊の上部を正に帯電させ(付図3)、上記2と同じメカニズムで噴煙の上部を正の高電圧にする。この高電圧は観測されており、上記のメカニズム1・2が共に妥当なことを示している。
4.地震前兆電界(付図2)
地震前兆電界が下記のメカニズムで発生する可能性が大きい。
(1) 震源域の地殻の結晶境界面に地震前に微小亀裂が発生し、間隙水が浸透する。
(2) この間隙水に結晶境界面のウラン化合物・ラジウム化合物・ラドンなどの放射性物質が溶け出す。
(3) 亀裂により間隙水が地表と繋がり、放射性物質を含む水が震源域の地表に噴出する。
(4) 地表に出た放射性物質により、下層大気が電離し、電気伝導度が局所的に増加する。
(5) 地表と電離層間の数百万Voltの電位差と電気伝導度の局所的増加により、宇宙線シャワーの軌跡に沿った電流が、震源域で局所的に一時的に増大する。
(6) この電流は間歇的脈流であり、広帯域の地震前兆電界が発生する。
上記のメカニズムの(3)の放射性物質及び(5)の電流による地震雲及び(6)の広帯域電波は観測されており、地震前兆の微小亀裂発生の可能性及び上記のメカニズムの妥当性は大きい。
5. 前兆電界による地震予知
震源域は微小亀裂の発生領域と一致すると考えられるため、前兆電界の発生領域が震源域となる。規模は震源域の広さにほぼ比例するため、前兆電界の発生領域の広さから推定できる。発生日時は、巨大地震の場合、前兆電界が観測され始めてから約一週間後に発生している。