17:15 〜 18:30
[MIS15-P10] 豪州南極海盆における南極底層水の急速かつ持続的な低塩分化
キーワード:南極底層水、低塩分化、海面上昇
2011年以降取得している110°E上のCTDデータを用いて、豪州南極海盆の深・底層における長期変動を調べた。データは2011年以降毎夏得られており、2000年代初頭に報告されたこの海盆における南極底層水の低塩分化は継続的に進行していることが確認された。低塩分化は海底に向かってより顕著になっており(即ち新しく沈み込んだ南極底層水ほど低塩分化が顕著)、南極底層水の形成域の近傍での淡水供給量の増加に起因すると考えられる。
また、低塩分化は淡水供給量の増加によって海面が上昇していることを示唆する。淡水供給量の増加による海面上昇を見積もったところ、2011年以降では2005年の凡そ4倍にあたる~13.5 mmに増加していた。これは海水温の温度上昇の寄与(11.0 mm)と同等であり、近い将来、南極海では淡水供給量の増加の寄与が海面上昇の主要な要因となることが危惧される。
また、低塩分化は淡水供給量の増加によって海面が上昇していることを示唆する。淡水供給量の増加による海面上昇を見積もったところ、2011年以降では2005年の凡そ4倍にあたる~13.5 mmに増加していた。これは海水温の温度上昇の寄与(11.0 mm)と同等であり、近い将来、南極海では淡水供給量の増加の寄与が海面上昇の主要な要因となることが危惧される。