日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS16] 地球掘削科学

2016年5月26日(木) 09:00 〜 10:30 103 (1F)

コンビーナ:*山田 泰広(海洋研究開発機構 海洋掘削科学研究開発センター)、池原 実(高知大学海洋コア総合研究センター)、菅沼 悠介(国立極地研究所)、新井 和乃(海洋研究開発機構)、梅津 慶太(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、座長:新井 和乃(海洋研究開発機構)、山田 泰広(海洋研究開発機構 海洋掘削科学研究開発センター)

09:00 〜 09:15

[MIS16-01] IODP Exp. 359報告:インド洋・モルディブ周辺海域の炭酸塩およびドリフト堆積物から読み解くモンスーンの進化および海水準変動

*井上 麻夕里1Pratiwi Santi Dwi2中國 正寿3新野 薫4Betzler Christian5Eberli Gregor6Alvarez-Zarikian Carlos7IODP Expedition 359 Scientists7 (1.岡山大学大学院自然科学研究科、2.秋田大学大学院工学資源学研究科、3.創価大学大学院工学研究科、4.山形大学大学院理工学研究科、5.Institute of Geology, CEN, University of Hamburg、6.Department of Marine Geosciences, University of Miami、7.International Ocean Discovery Program, Texas A&M University)

キーワード:モルディブ、モンスーン、炭酸塩、海水準変動

米国科学掘削船ジョイデスレゾリューション号による国際深海科学掘削計画(IODP)第359次研究航海が2015年10月〜11月の2ヶ月間実施された。本航海では、インド洋北部に位置するモルディブ周辺の新第三紀に相当する海底堆積物から、現在のモンスーンの始まりやその進化過程を海流の変化から解き明かすこと、同時に海水準変動も明らかにすることを目的としている。モンスーンによる風はモルディブを横切る海流の強さや向きに影響を与える。そしてその海流は同時に堆積物をモルディブ諸島の内側であるInner Seaへと運ぶため、流れが弱まるInner Seaではこのように風でコントロールされた海流によって運ばれたドリフト堆積物が堆積している。つまり、このドリフト堆積物の開始時期を調べることでモンスーンシステムの開始時期を推定することができ、堆積物を時系列で調べることでモンスーンの開始から現在までの変動過程を知ることができる。さらに、ドリフト堆積物堆積以前はモルディブの石灰質堆積物は海水準変動によりコントロールされていたと考えられるので、モンスーンの開始以前についての環境変動については、過去のリーフの発達過程を調べることで復元可能である。本発表では、本航海の掘削概要と船上で得られたデータをもとに航海の報告を行う予定である。