日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS17] 古気候・古海洋変動

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、池原 実(高知大学海洋コア総合研究センター)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、北場 育子(立命館大学古気候学研究センター)、北村 晃寿(静岡大学理学部地球科学教室)、佐野 雅規(総合地球環境学研究所)、多田 隆治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、中川 毅(立命館大学)、林田 明(同志社大学理工学部環境システム学科)

17:15 〜 18:30

[MIS17-P19] 南極および北極アイスコアの酸素同位体比から得られる気温変動周期

*長谷部 憂磨1,2望月 優子1,2中井 陽一1高橋 和也1 (1.理化学研究所、2.埼玉大学)

キーワード:酸素安定同位体比、アイスコア

地球の平均気温は太陽活動11年周期の極大・極小期に合わせ 0.1-0.2K 変動することが知られている(e.g., Gray et al. 2010, Camp & Tung 2007)。しかしながら、地球気温と太陽活動との詳しい関連性は明らかになっていない。本講演では、東南極にあるDronning Maud Land(DML)の気温変動の周期と、太陽活動周期とを比較することで、これらの関連性について議論する。酸素同位体比δ18Oは気温と比例関係にあることが雪氷学上で確立されており、アイスコア中の水のδ18Oを過去の気温の指標として利用した。
我々は、時間分解能1年の1025年から1997年までのDML酸素同位体比公開データ (Graf et al. 2002)に対し、フーリエ解析法と自己回帰モデルによる方法を用いて周期解析を行った。結果、21年、194年の気温変動の周期が得られた。気温変動の周期と、よく知られた太陽活動周期約22年、200年を比較し、周期の関連性を、ピークの有意性をふまえ議論する。
DML地域のアイスコアの一部は、成層圏の物質を多く含むと考えられる。成層圏は高エネルギー宇宙線の影響があるため、DMLのアイスコアが宇宙線を介して太陽周期を反映している可能性がある。私たちはまた、成層圏の物質をあまり含まない北極グリーンランドのコアに含まれる酸素同位体比を周期解析することで、比較を行う。