17:15 〜 18:30
[MIS17-P30] 南大洋大西洋セクターにおける珪質微化石を用いた古海洋環境復元
キーワード:南大洋、珪藻、休眠胞子、黄金色藻シスト、ODP、DSDP
南大洋の新第三系・第四系堆積物は珪藻などの珪質微化石が多産することが知られており,これらを用いた古海洋学的研究が数多く行われてきた.しかし,従来の珪藻化石による古環境復元の取り組みのほとんどは最終氷期以降の比較的新しい時代のみを対象としており,過去の長期間にわたる環境変遷を論じた研究はほとんど無い.また,湧昇流帯に多産する珪藻Chaetoceros属の休眠胞子化石や,淡水棲とされる黄金色藻類のシスト化石も産出するため,南大洋の環境変動に関する重要な情報を得られる可能性がある.
そこで本研究では,珪藻・Chaetoceros属休眠胞子および黄金色藻シスト化石の産出種・量の変動をもとに,約2000万年間にわたる南大洋における海洋環境変動の復元を試みた.本発表では,南大洋大西洋セクターにおける堆積物試料(ODP Site 689, DSDP Site 513)におけるこれまでの分析結果を報告する.今後,さらに他海域の試料の分析を行い,それらのデータを相互に比較することによって,南大洋広域における海氷分布,湧昇流,南極周極流の長期的変動などを復元する予定である.
そこで本研究では,珪藻・Chaetoceros属休眠胞子および黄金色藻シスト化石の産出種・量の変動をもとに,約2000万年間にわたる南大洋における海洋環境変動の復元を試みた.本発表では,南大洋大西洋セクターにおける堆積物試料(ODP Site 689, DSDP Site 513)におけるこれまでの分析結果を報告する.今後,さらに他海域の試料の分析を行い,それらのデータを相互に比較することによって,南大洋広域における海氷分布,湧昇流,南極周極流の長期的変動などを復元する予定である.