日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS19] 南北両極のサイエンスと大型研究

2016年5月24日(火) 10:45 〜 12:15 201B (2F)

コンビーナ:*中村 卓司(国立極地研究所)、杉本 敦子(北海道大学大学院 地球環境科学研究院)、杉山 慎(北海道大学低温科学研究所)、座長:中村 卓司(国立極地研究所)

11:15 〜 11:30

[MIS19-03] 北極環境研究コンソーシアム(JCAR)による「北極環境研究の長期構想」

*池田 元美1 (1.北海道大学・JAMSTEC)

キーワード:地球温暖化、生物多様性、北極圏基礎研究、先端的手法

北極環境の研究者が、極域に関心のある他分野の研究者や、環境について知りたい市民などに向け、10年から20年の期間において、次に示す諸問題の解決を目指して研究の方向を提案する。これまで我が国で「北極環境研究」に特化した長期構想はなく、現状の分析、及び将来取るべき方針を示すことは重要である。JCAR が本長期構想を作成できた事実は、その存在意義を確たるものにしたと言っても過言ではない。構想には次世代研究者の希望が反映されており、それらの実現に向けた共同作業によって、多くの研究者が共通の目標を持って前進することが可能となる。
研究目的は、次の4つとしている。コンソーシアム設立の背景となった課題である「北極地域の強い温暖化に伴い発生している急激で複合的な現象の理解とそのメカニズムおよび影響の解明、さらに、その将来予測を向上させる」研究では、地球温暖化の北極域増幅など7つのテーマを選んだ。「陸域と海洋における生物多様性、および温暖化だけでなく様々な人為的環境変化が生態系に及ぼす影響を解明する」研究については、陸域と海洋に分けた2テーマとした。「広範かつ重要な北極環境およびその基礎情報に関する」研究では、地球を取り囲むジオスペース環境などの3テーマを設定した。4つ目の「環境研究のブレークスルーを可能にするモニタリング、モデリング、およびそれらを統合する」研究に関しては、3つの手法に基づいた3テーマを選んだ。