日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS26] 火山噴煙・積乱雲のモデリングとリモートセンシング

2016年5月26日(木) 09:00 〜 10:30 コンベンションホールB (2F)

コンビーナ:*鈴木 雄治郎(東京大学地震研究所)、前野 深(東京大学地震研究所)、佐藤 英一(気象研究所)、前坂 剛(防災科学技術研究所)、座長:佐藤 英一(気象研究所)、前野 深(東京大学地震研究所)

10:15 〜 10:30

[MIS26-06] ひまわり8号による火山灰雲観測

★招待講演

*林 勇太1,2上澤 大作1別所 康太郎1 (1.気象庁気象衛星センター、2.気象研究所)

キーワード:火山灰雲、リモートセンシング、静止気象衛星、ひまわり8号

火山噴火に伴って放出される火山灰は、地上の広範囲に降り積もるだけでなく、風に流されて長期間にわたり空中を漂う。航行中の航空機が火山灰雲に遭遇すると、機体の損傷やエンジン停止といった重大事故につながるおそれがあるため、火山灰雲の位置や高度の情報は航空機の安全運航に必要不可欠となっている。地球上の広い範囲を均質に、かつ連続的に観測することができる静止気象衛星は、火山灰雲を監視するための重要な手段の一つである。
気象庁では平成27年7月より、次世代静止気象衛星ひまわり8号の運用を開始した。また、平成28年中にはバックアップとなるひまわり9号の打ち上げが予定されている。これらに搭載されている放射計(AHI)は、これまでのひまわり6号・7号(MTSAT-1R, 2)のものと比較して大幅に向上した観測性能を持つ。観測波長帯数が5バンドから16バンドと大幅に増強されたのに加え、水平解像度がほぼ2倍に高解像度化し、全球観測頻度が60分ごとから10分ごとに向上した。さらに日本周辺の領域では、2.5分ごとという高頻度観測が実現している。この高解像度・高頻度観測によって、火山噴火に伴う噴煙や急速に発達する積雲など、比較的スケールが小さく変化が早い現象の観測が可能となった。
火山灰の電磁波吸収強度の波長依存性を利用することで、衛星観測データから火山灰雲を検出することができる。さらに数値予報データや海面水温データなどと組み合わせることで、火山灰雲の高度や光学的厚さなどの見積もりが可能である。16バンドに増強されたひまわり8号観測データを活用することによって、火山灰雲検知や高度推定における精度向上が期待される。
本講演では、ひまわり8号による火山噴煙等の観測事例を紹介するとともに、衛星観測における火山灰検出の基本原理とそれを応用した火山灰RGB合成画像について解説する。また、火山灰雲高度や光学的厚さといった物理量を算出した衛星火山灰プロダクトについても簡単に紹介する。