日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS33] 地球惑星科学と微生物生態学の接点

2016年5月23日(月) 09:00 〜 10:25 106 (1F)

コンビーナ:*砂村 倫成(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、高井 研(海洋研究開発機構極限環境生物圏研究センター)、濱村 奈津子(九州大学)、諸野 祐樹(海洋研究開発機構高知コア研究所)、座長:砂村 倫成(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、濱村 奈津子(九州大学)

09:50 〜 10:05

[MIS33-04] 陸棲藍藻 Nostoc sp. HK-01 の乾熱耐性

*木村 駿太1井上 琴美1加藤 浩2佐藤 誠吾1富田ー横谷 香織1 (1.筑波大学大学院生命環境科学研究科、2.三重大学生命科学研究支援センター)

キーワード:休眠細胞、乾熱耐性、Nostoc sp. HK-01、陸棲藍藻

陸棲の藍藻(シアノバクテリア)は、太古の地球から炭素・窒素の循環に重要な役割を果たしている。陸棲藍藻は乾燥状態で60~100℃以上の乾熱に耐性を具備することが報告されているが、その耐性のしくみの詳細はまだ明らかにされていない。陸棲藍藻が陸上で生存するために、乾熱耐性は必要不可欠な機能である。我々は、100℃10時間の乾熱耐性が証明されている陸棲藍藻Nostoc sp. HK-01を生物材料として、本藍藻が分化する細胞形態のうち休眠細胞のみが乾熱に耐性を備える細胞形態であることを明らかにしてきた。本発表は、休眠細胞の乾熱耐性のしくみに関わる機能分子の候補について報告し、生物の過酷環境における利用や熱からの細胞保護に貢献する可能性について、展望を述べる。