日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS34] 2016年熊本地震および関連する地殻活動

2016年5月25日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

17:15 〜 18:30

[MIS34-P58] 小型ドローンによる活断層・クラック調査の実用性と問題点

*白尾 元理1清川 昌一2 (1.なし、2.九州大学理学研究院地球惑星科学部門)

キーワード:熊本地震、活断層、ドローン、4K、航空法

今回の熊本地震で表れた活断層は、実用的な小型ドローンが市販されてから日本で最初に表れた活断層といえる。小型ドローンPhantom4を東京から機内持ち込み手荷物として運び、5月1・2日、活断層やそれに付随するクラックの表れた益城町上陣、南阿蘇村黒川で合計108分間の飛行を行った。
Phantom4のカメラは画角が94°、静止画では4000×3000画素、ビデオ動画では3840×2160画素(4K)モードで、高度3〜65mから撮影した。飛行中に静止画とビデオ録画の切り替えは煩雑なので、10分程度の飛行では最初から静止画、あるいは4Kビデオ動画のいずれかに決めてから飛行することになる。4Kビデオ動画は、静止画に比べて上下方向の画角が72%に狭められるが、毎秒30フレーム撮像しているので圧倒的に情報量が多く、それから切り出した画像は静止画に比べて見劣りがしない。とくに高度10mからの撮影では1cm程度の分解能があり、短時間に数100mの範囲を調査するのには有用である。低空での活断層の走行に沿った4Kビデオ動画は躍動感があり、活断層の広がりや形態がわかりやすく、研究のみならず、教育、広報の目的にも適する。
2015年9月に航空法の一部が改正され、12月10日からはドローンなどの無人航空機に新たな飛行ルールが導入された。今回飛行した上記2地域は、熊本空港に近く、事前に許可申請が必要になる可能性があった。今回はこのことについても触れる。