[M-IS34] 2016年熊本地震および関連する地殻活動

[MIS34-P43] 熊本地震によって阿蘇地域に現れた活断層と西南日本の現行テクトニクス

*大岩根 尚¹ (1.鹿児島県三島村)

キーワード：熊本地震、沖縄トラフ、別府島原地溝帯

熊本地震に際しカルデラ内の阿蘇市赤水～内牧にかけて地表に現れた断層の性質と分布に関して、予察的な調査を行った。今回の調査では、東北東ー西南西方向の正断層に囲まれた、幅 50 m、最大落差 2 m ほどの陥没帯が雁行状に現れたことがわかった。発見できた10ヶ所の陥没帯は、北北東-南南西方向の2本のセグメント上に並び、雁行状に配列している。また、セグメント間をつなぐように、東北東ー西南西方向の正断に囲まれた陥没帯が発見された。
2本のセグメントを構成する雁行状の陥没帯と、セグメント間をつなぐ陥没帯の配置は、全体として典型的な右横ズレの変位パターンを示す。これは今回の地震活動によって地表に変位をおこした活断層と解釈することができる。本講演では、今回の断層活動及び西南日本のテクトニックな背景と、沖縄トラフ北端部にまで広がっている地震活動との関連性について議論を試みる。