日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT29] ソーシャルメディアと地球惑星科学

2016年5月22日(日) 10:45 〜 12:15 301A (3F)

コンビーナ:*天野 一男(茨城大学理学部地球生命環境科学科)、小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、伊藤 昌毅(東京大学生産技術研究所)、山本 佳世子(国立大学法人 電気通信大学)、座長:天野 一男(茨城大学理学部地球生命環境科学科)、伊藤 昌毅(東京大学生産技術研究所)

11:45 〜 12:00

[MTT29-05] 減災対策のための災害情報活用支援のためのソーシャルメディアGIS

*山本 佳世子1 (1.国立大学法人 電気通信大学)

キーワード:ソーシャルメディアGIS、Web-GIS、SNS、Twitter、減災、情報活用支援

本研究はWeb-GISとSNSを統合し,投稿情報分類機能を組み合わせることにより,地域住民と行政が提供する災害情報をGISベースマップ上でマッシュアップするとともに,これらを分類・提供して地域住民等の活用を支援することにより,平常時から災害発生時における減災対策のためのソーシャルメディアGISを設計・構築して,運用・運用評価まで行うことを目的とする。平常時にはSNSを通じて災害情報を収集し,地域の災害情報を蓄積することで,地域住民の防災意識の向上を図る。さらに災害発生時の情報過多となる状況でも,通信環境(電気,インターネット,情報端末等)が確保できるならば,災害情報を自動分類して即座にWeb-GISのデジタル地図上に表示して視認性を確保し,避難行動等を支援することを目指す。このように平常時から本システムを日常的に利用して慣れ親しんでおくことにより,災害発生時の緊迫した状況下でも,本システムが減災対策のための1つの手段として問題なく効果的に利用できる可能性が期待できる。
本研究の結論は,以下の3点に要約することができる。
(1) 先行研究の成果を基に,Web-GISとSNS,Twitterを統合して,投稿情報分類機能,ボタン機能・ランキング機能等を組み込んだソーシャルメディアGISを設計・構築した。このことにより,平常時のみならず情報過多となる災害発生時を想定した減災対策のための災害情報の活用支援システムを提案した。本システムの独自機能は,デジタル地図の全画面表示機能,災害情報のボタン機能・ランキング機能である。
(2) 東京都三鷹市において,利用対象者を18歳以上として8週間の運用を行ったところ,利用者数は合計50名であった。利用者は40歳代が32%,50歳代が30%で最も多く,20歳代が14%,30歳代が12%,60歳代以上も10%を占め,幅広い年齢層に利用していただいた。
(3) 運用期間中に収集したアクセスログを用いた解析と投稿情報の分析の結果を基に,運用評価を行った。260件の災害情報が三鷹市全域に分散して投稿されており,投稿総数のうち画像付きのものは約81%,コメントされたものは約4%であった。危険性に関する情報は20%,安全性に関する情報は約68%,その他の情報が約12%であった。