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[MZZ32-06] ヒューウェルの反多世界論
キーワード:科学史、科学哲学
我々の知る地球のみが唯一の知的生命が宿る世界であるのか、あるいは、我々の地球以外の多世界が存在するのか、というのは古代からの人類の疑問であり、現在でも議論が続いている(Crowe 1999; 2008)。中でも多世界をめぐる論争が顕在化したのは、ヒューウェル(1794-1866)による『多世界について(1853)』と、多数の反論への応答として書かれた『多世界をめぐる対話(1854)』以降であると考えられる。本発表では、護教論的な動機から書かれたヒューウェルの反多世界論に見られる科学的・哲学的な議論に注目し、「科学者」という概念の生まれたばかりの19世紀イングランドでの多世界論をめぐる論争の特徴を描きたい。