日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ32] 地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論

2016年5月22日(日) 10:45 〜 12:15 301B (3F)

コンビーナ:*矢島 道子(日本大学文理学部)、青木 滋之(会津大学文化研究センター)、山田 俊弘(千葉県立船橋高等学校)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、座長:矢島 道子(日本大学文理学部)、山田 俊弘(千葉県立船橋高等学校)

12:00 〜 12:15

[MZZ32-06] ヒューウェルの反多世界論

*青木 滋之1 (1.会津大学文化研究センター)

キーワード:科学史、科学哲学

我々の知る地球のみが唯一の知的生命が宿る世界であるのか、あるいは、我々の地球以外の多世界が存在するのか、というのは古代からの人類の疑問であり、現在でも議論が続いている(Crowe 1999; 2008)。中でも多世界をめぐる論争が顕在化したのは、ヒューウェル(1794-1866)による『多世界について(1853)』と、多数の反論への応答として書かれた『多世界をめぐる対話(1854)』以降であると考えられる。本発表では、護教論的な動機から書かれたヒューウェルの反多世界論に見られる科学的・哲学的な議論に注目し、「科学者」という概念の生まれたばかりの19世紀イングランドでの多世界論をめぐる論争の特徴を描きたい。