15:55 〜 16:15
[O01-06] 高等学校必履修科目としての新しい地理教育~持続可能な社会に資する地理総合~
★招待講演
キーワード:高校教育、学習指導要領、新必履修科目、地理総合、持続可能な開発のための教育(ESD)
2015年8月、次期高等学校学習指導要領の改定方針が提示され、地理歴史科の必履修科目として「地理総合」「歴史総合」の構想が発表された。3期30年にわたって選択科目に追いやられていた地理の必修科目化が打ち出された。
これまで日本学術会議の高校地理歴史科教育に関する分科会や日本地理学会地理教育専門委員会などを中心に、地理必修化に向けての諸活動に取り組んできた。また、研究開発学校(京都府立西乙訓高校、日本橋女学館高校、神戸大学附属中等教育学校)でも、地理歴史科の総合科目や基礎科目の開発と実践に取り組まれている。
新科目「地理総合」の構想では、持続可能な社会づくりに必須の地球規模・地域の諸課題解決の力を育むため、①地図・GISなどの汎用的な地理的技能の育成、②概念をとらえる地理的な見方や考え方の育成、③グローバルな視点からの地域理解と課題解決的な学習の展開、④持続可能な社会づくりに関わる資質・能力の育成が本科目の柱として位置づけられている。
地理教育関係者にとっては長年の地理必修化の取り組みの成果が実り、ようやく念願がかなった形にはなったものの、地理が選択科目となってからの30年間に、主要大学での入試科目からの地理の消滅、それを受けて地理を開設しない高校の増加、そして地理を専門とする教員の不足など負の連鎖が進行しており、地理不振の空白の30年間の代償は大きく、じっしにあたっての課題も少なくない。持続可能な社会づくりを学習の柱に据えた「地理総合」であるが、この科目を支える屋台骨の現状を鑑みると、科目自体の持続可能性についての不安は尽きない。
本報告では、発表者が専門とするESDの視点から「地理総合」実践のあり方について考えることとする。
これまで日本学術会議の高校地理歴史科教育に関する分科会や日本地理学会地理教育専門委員会などを中心に、地理必修化に向けての諸活動に取り組んできた。また、研究開発学校(京都府立西乙訓高校、日本橋女学館高校、神戸大学附属中等教育学校)でも、地理歴史科の総合科目や基礎科目の開発と実践に取り組まれている。
新科目「地理総合」の構想では、持続可能な社会づくりに必須の地球規模・地域の諸課題解決の力を育むため、①地図・GISなどの汎用的な地理的技能の育成、②概念をとらえる地理的な見方や考え方の育成、③グローバルな視点からの地域理解と課題解決的な学習の展開、④持続可能な社会づくりに関わる資質・能力の育成が本科目の柱として位置づけられている。
地理教育関係者にとっては長年の地理必修化の取り組みの成果が実り、ようやく念願がかなった形にはなったものの、地理が選択科目となってからの30年間に、主要大学での入試科目からの地理の消滅、それを受けて地理を開設しない高校の増加、そして地理を専門とする教員の不足など負の連鎖が進行しており、地理不振の空白の30年間の代償は大きく、じっしにあたっての課題も少なくない。持続可能な社会づくりを学習の柱に据えた「地理総合」であるが、この科目を支える屋台骨の現状を鑑みると、科目自体の持続可能性についての不安は尽きない。
本報告では、発表者が専門とするESDの視点から「地理総合」実践のあり方について考えることとする。